様々なジャンルをミックスした、感性豊かなネリー・ワールド / 『ザ・ライド』ネリー・ファータド(Album Review)

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 「プロミスキュアス」や「セイ・イット・ライト」などの全米No.1ヒットをもつ、カナダ出身の女性シンガーソングライター、ネリー・ファータドの4年半振り、通算7作目のスタジオ・アルバム『ザ・ライド』が、2017年3月31日にリリースされた。トレードのロングヘアをバッサリ切り落とし、ベリーショートになったネリーが、黄色い花を抱えて写る個性的なジャケットが、インパクト絶大。

 本作からは、今年1月に「パイプ・ドリームズ」、2月に「フラットライン」の2曲を先行シングルとしてリリースしている。それぞれ独特の世界観が描かれたネリーらしいナンバーで、この2曲含む全12曲を自身が制作し、プロデュースは、エリカ・バドゥやザ・ルーツなどの実力派を手掛ける、ジョン・コングルトンが担当している。

 軽快に歌う、オープニングに相応しい「コールド・ハード・トゥルース」で幕を開ける本作。宙に舞うエレクトロ・チューン「ペリフェリー」や「スティックス・アンド・ストーン」、フレンチ・ポップのような「マジック」や「ライト・ロード」など、キュートなナンバーが目白押し。「パリ・サン」や「パレシーズ」など、ネリーの軽いなボーカルが活かされた、極上のポップ・チューンに、ずっと浸っていたくなる。

 アップナンバーだけでなく、おセンチ系メロウ「カーニバル・ゲーム」や「タップ・ダンシング」、ラストの幻想的なバラード曲「フェニックス」など、スロー・ナンバーの完成度も高い。大ヒット作『ルース』(2006年)のブラック・ミュージック的要素は感じられないが、デビュー作『ネリー・ファータド!』(2000年)のような、様々なジャンルをミックスした、感性豊かな作品に仕上がっている。この時季にピッタリの、春らしいアルバムだ。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『ザ・ライド』
ネリー・ファータド
2017/3/31 RELEASE