ジャミロクワイ独特の難解なコード進行やサウンド・センス健在な『オートマトン』(Album Review)

写真拡大

 前作『ロック・ダスト・ライト・スター』からおよそ7年ぶり、通算8枚目のスタジオ・アルバム『オートマトン』を、2017年3月31日にリリースした、ジャミロクワイ。5月末には、東京で来日公演が決定していて、チケットは既にソールドアウト。本作からは、2ndシングル「クラウド9」が日本のラジオ局でもヘヴィ・プレイされている。

 ジェイ・ケイとマット・ジョンソンのみで制作・プロデュースした本作、ゲストも一切クレジットされていない。それもあってか、同調の楽曲がひたすら続き、単調さは否めないが、邦題にもなっている「スペース・カウボーイ」というコンセプトを貫いた、スペイシーなエレクトロ・サウンドで統一されている。ジャミロクワイのファンにとっては、納得のいく仕上がりになっているのではないだろうか。

 先行シングルとしてリリースされた「オートマトン」や、大ヒット曲「キャンド・ヒート」(1999年)ソックリな「スーパーフレッシュ」や、「ビタミン」、「カーラ」など、SFっぽいシンセ・サウンドが目白押し。「シェイク・イット・オン」や「サムシング・アバウト・ユー」、ラップを絡めるファンク・チューン「ナイツ・アウト・イン・ザ・ジャングル」などは、エレクトロでありながら、古き良き70年代ファンクやディスコのテイストを、所々に感じる。ビージーズの「ステイン・アライブ」に似せた「サマー・ガール」や、ファンカデリックを彷彿させる「ホット・プロパティ」など、彼らが影響を受けたとされるアーティストのニオイも…。

 デビュー作『エマージェンシー・オン・プラネット・アース』(1993年)など、90年代初期のアシッド・ジャズ的要素は薄れたものの、一瞬でジャミロクワイの音だと分かる、独特の難解なコード進行やサウンド・センスは健在。多くのアーティストは、時代の流れに沿って流行りの音を取り入れながらアルバムを制作するが、ここまでブレないアーティストも、ある意味珍しい。もちろん、良い意味で。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『オートマトン』
ジャミロクワイ
2017/3/31 RELEASE
2,700円(plus tax)