日産自動車(以下日産)が現行の6代目「R35型GT-R」を発売したのは、遡ること約10年前の2007年12月のことでした。

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2000年に先行開発がスタートし、東京モーターショー2001にコンセプトモデルが登場。ヘッドランプからバンパー下方までをブラックアウトする意匠アイデアは斬新で、2017年モデルに通じるものがあります。

 

その反面、後部はまだ熟成過程といった印象が拭えませんでした。

2004年になると、水野和敏氏をトップに開発が本格化。東京モーターショー2005にプロトタイプが出展され、その2年後に「R35型GT-R」がデビューしています。

前方配置のエンジンから重量物であるトランスミッション本体を切り離し、車両後方に配置することで前後重量配分を最適化しているのが大きな特徴です。

2013年9月30日には、独ニュルブルクリンクでミハエル・クルム選手が駆る「GT‐R ニスモ」が「7分8秒679」という、それまでのGT‐Rのベストラップを一気に10秒以上短縮する量産車最速タイムを記録したことが話題になりました。

そして2014年モデルからは開発責任者が水野氏から田村CPSにバトンタッチ。2014年2月に究極のGT-Rとも言える「GT-R ニスモ」が市販されます。

デビュー当初480ps/60kgmだった3.8L V6エンジンはニスモ・チューンにより、600ps/66.5kgmにまで高められ、車体はボンディング(構造接着剤)で剛性を向上。

特注のビルシュタイン製ダンパーや、カーボン製のフロントバンパー、ウイングタイプのリヤスポイラーを装備したモータースポーツ仕様車となっています。

さらに2014年11月には「GT-R ニスモ」に採用した技術を部分的に採り入れた標準モデルとの中間グレード「トラックエディション」を追加。エンジンや空力装備は標準モデルと変わりませんが、ボンディングや専用部品を流用することで、よりスポーツ走行に適したパフォーマンスを実現しています。

2016年7月には標準モデルが本格的なマイナーチェンジを受けたことで、翌8月には「トラックエデイション」、「GT-R ニスモ」ともに2017年モデルに移行。

 

ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルは1月13日、ニュルで最速ラップタイムを記録した車両に装着していた専用パーツを、「GT-R ニスモ」の2017年モデル用にパッケージ化した「NISMO N Attack Package」を発売しました。

今回、同社はベストラップを記録したミハエル・クルム選手が、富士スピードウェイで「NISMO N Attack Package」をテストする様子を収めた動画を公開。迫力の全開サウンドを聞くことができます。

このように、2007年の登場から10年が経過する6代目GT-Rですが、その進化は現在も続いており、2017年モデルではそれまでの「速さ」に加え、「走り」が熟成されたことにより、「運転して楽しいクルマ」になったと評判も上々のようです。

次期モデルにもこれまでの「深化」が脈々と受け継がれる事を期待するとともに、新たな高みを目指して、今後も日本の技術で世界の強豪に挑戦してもらいたいものです。

(TEXT/PHOTO: Avanti Yasunori、NISSAN)

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