普段からよく笑っていますか。笑ったときというのは特別な爽快感がありますよね。笑いには驚きの健康効果があります。笑うことで免疫力が上がるなど、いくつもの恩恵を受けられることが、科学的に明らかになっています。

笑いとは人間だけができる特別な感情表現

知能の発達している人間は、他の動物に比べて感情表現が豊かです。悲しみや怒りなど、全ての表現は人間の心と密接に結びついています。そして笑いはなかでも特殊な表現であり、笑うことができる生き物といえば人間だけです。だからこそ古来より人間は笑いに対して特別な関心をもってきました。

古代ギリシャでは悲劇に相対するものとして笑いの喜劇が発展しました。現在でも落語やお笑いは喜劇に通じるものとして、特別な分野として確立しています。ところで笑いとは何なのでしょうか。「笑いとは張り詰められていたものが無と変わるときに起こる情緒」と言ったのは18世紀ドイツの哲学者カントです。まさに彼の言う通り、笑いは緊張を解きほぐしてくれる効果をもっています。その後の研究では、笑いは病気を抑制してしまうほどの健康効果を生み出すことが解明されているのです。

笑いが免疫力をアップさせる

笑いの効果として注目されている一つに、NK(ナチュラルキラー)細胞があります。NK細胞とはリンパ球の一種で、ウイルスや腫瘍(しゅよう)細胞などを攻撃して殺す細胞です。笑うことでNK細胞が活性化し、免疫力が高まることが分かっています。さらにはNK細胞の活性化はがんの進行を抑えたり痛みなどの軽減につながるとして、笑いの効果にさらなる注目が集まっています。

笑いの効果はまだまだあります。笑うことにより脳が刺激されて記憶力が良くなる、また自律神経のバランスを整え、笑うとアルファー波が増えることから、リラックス効果もあるとしています。また笑いは運動機能にも良い影響をもたらします。笑うときに多くの酸素を吸い込むため血行が良くなり、内臓の筋肉を動かすことからカロリー消費につながります。また顔の筋肉を大きく動かすので、表情豊かになるとともに、顔のたるみを防ぐ効果もあります。

微笑むだけでも健康効果が得られる

子供はよく笑いますが、年をとればとるほど、人は笑わなくなっていくものです。30〜40代は最もストレスが多い時期でもあり、なかなか笑っていられないかもしれません。しかし大丈夫、腹の底から笑うことがなくても、笑顔を作るだけでもNK細胞を活発にする効果があるそうです。もちろんテレビや本などの内容で笑うのもOKです。まずは笑顔でいることから始めてみませんか。そして身近なところで笑いのツボとなるものを探してみましょう。


writer:Akina