チームのパフォーマンスが良くないなかでも、2得点に絡んだ井手口。勝点3をもたらした。(C)J.LEAGUE PHOTOS

写真拡大

 [J1・5節]新潟2-3G大阪/4月1日(土)/デンカS
 
 勝利を収めたものの、この日のG大阪は低調だった。前半早々に倉田秋のゴールで先制点を奪ったものの、その後は全体の距離感が遠く、パスミスを繰り返した。そのせいで何度もカウンターを受け、リズムを失っていた。守備では相手FWのスピードについていけずに2失点。一時はリードを許し、敗戦ムードが漂っていた。そんなチームを救ったのが井手口陽介だった。
 
 左足小指の骨折により戦列を離脱した今野泰幸と入れ替わる形で、右足首の怪我から復帰した井手口は、インサイドハーフ先発出場。日本代表にも選出された、本来の実力を考えればやや物足りなさが残るが、局面を変える高精度のパスなど随所に能力の高さを見せる。
 
 キャプテンの遠藤保仁が交代後はアンカーの位置に入りプレースキッカーを務めた。31分にはFKで同点ゴールをアシスト。「中に普通に入れれば、ファビ(ファビオ)だったり、(三浦)弦太くんだったり、ジュンさん(金正也)がいるので、ニアに引っかからないように蹴りました」と言うように、ファーサイドに走りこんだ金に正確に合わせた。
 
 84分にはCKの流れから、ゴール前に入り込み混戦から右足を振り抜き決勝点を奪取。2得点に絡む活躍でチームを勝利に導いてみせた。
 
 井手口は、決勝ゴールのシーンを「ごちゃごちゃしていたので、こぼれ球を拾ってシュートが打てるかなと思って、ゴール前にいったら本当に来た。(シュートコースは)あそこしか空いてなかったので、入って良かったです」と振り返った。
 
 負傷で今野を欠き、遠藤も途中交代――。チームの主軸ふたりが不在のなか、20歳のMFは、その穴を見事に埋める働きを見せた。さらにこの試合では、途中出場の堂安律や泉澤仁といった20代の選手が流れを変えた点も見逃せなかった。
 
 遠藤もそんな若手の活躍を、「もともと能力の高い選手が多いので、出場のチャンスを与えられれば、やって当然の選手だと思いますし、今日も良いものをどんどん出せていた。これを続けていけば成長できるし、彼らの努力次第で高いところも目指せる。試合に出ているときだけでなくいろんな努力をしてほしい」と称賛し、歓迎する。
 
「いつまでもあのふたりに頼っていられない。今さん、ヤットさんがいなくても勝てるようなチームになっていけたら良い」
 
 勝利の立役者となった井手口は、試合後にこう語り、強い責任感を露わにした。
 
 チームに新たな風を吹き込む若手の成長が、G大阪の王座奪還の鍵となりそうだ。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)