中国メディアによると、中国の個人所得税の税収が昨年初めて1兆元(約16兆円)の大台を突破した。都市別では上海、北京に広州と深センを加えた4市の税収が全体の4割超を占める。富の偏在を改めて裏付けた。写真は人民大会堂。

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2017年3月31日、中国の個人所得税の税収が昨年初めて1兆元(約16兆円)の大台を突破した、と中国メディアが報じた。都市別ではトップの上海と北京が1000億元を上回り、両市に広州と深センを加えた税収は4000億元を超え、全国に占める比率は4割超に達する。富の偏在を改めて裏付けた形だ。

中国網はこのほど、財政部が1月に公表した個人取得税に関するデータを伝えた。それによると、昨年の全国の個人所得税の税収は1兆89億元で、前年を17.1%上回った。個人所得税の税収は近年、急速な伸びを続けており、13年は6531億元で前年比12.2%増、14年は7377億元で同12.9%増、15年は8618億元で同16.8%増だった。

都市別に見ると、16年は上海が1482億7000万元とトップで、北京が1428億1500万元でこれにぴったりと続いた。中国全土で1000億元の大台を上回っている都市は北京と上海の2市だけだ。3位は深センで、757億8700万元に達した。この額は北京と上海の半分を少し上回るにすぎないが、深センの人口がその半分程度であることを考えれば、深センの1人当たりの納税水準は北京と上海に匹敵する計算となる。4位は広州の385億9500万元。4市の合計額は4054億6700万元で、個人所得税の税収全体の40%を超える。

上海と北京の税収が多いのは、高所得層が目立つ近代サービス業が最も発達しているためだ。国家統計局のデータによると、15年の平均年収が最も高かった業界は11万4777元の金融業で、情報伝送・ソフトウエア・情報技術サービス業が11万2042元、科学研究・技術サービス業が8万9410元の順。上海と北京は、これら高所得の産業が最も集まっている都市でもある。

さらに、上海と北京には中央企業や国有企業の本部、多国籍企業の中国本部が多く集中。その他の都市に居るこれらの企業の従業員の個人所得税はすべて本部で支払われる。3大金融センターの一つとされる深センには多くの金融期間が集まっているほか、ハイテク産業の急速な発展も税収に大きく寄与している。深セン市財政委員会の情報によると、同市の新興産業の税収は昨年、急速な伸びを見せ、7大戦略的新興産業と4大未来産業は1月から11月までに税収1631億4000万元を実現し、前年同期から21.9%増えた。

上海、北京、広州、深セン4市の人口は計5500万人超。13億人とされる総人口の約4%にすぎない。習近平指導部は20年までに国内総生産(GDP)と国民1人当たり所得を10年の2倍に引き上げるとともに、「小康社会」(衣食住が満たされ、比較的余裕のある生活を送れる経済社会水準)の実現を目標に掲げている。その前に立ちはだかる経済格差は依然としてすさまじいばかりだ。(編集/日向)