WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 今季(2016-2017シーズン)メジャー初戦のマスターズ(4月6日〜9日/ジョージア州)には、松山英樹(25歳)、池田勇太(31歳)、そして先の世界選手権シリーズ(WGC)デルテクノロジー・マッチプレー(3月22日〜26日/テキサス州)で4位に入った谷原秀人(38歳)と、日本勢は3選手が出場することになった。

 マスターズに複数の日本人選手が出場するのは久しぶり。ここ3年は松山が孤軍奮闘してきただけに、今年はなんとも楽しみな1週間になりそうだ。


今年のマスターズでも上位争いが期待される松山英樹 なかでも、最も期待がかかるのは、松山だ。

 今季は、昨年10月のWGC HSBC選手権、2月のウェイストマネジメント・フェニックスオープンと、すでにツアー2勝。12月には非公式の大会ながらも、タイガー・ウッズが主催するヒーロー・ワールドチャレンジも制して、シーズン序盤は「最もホットな選手」として注目を集め、実績も十分だからだ。

 ただ、そんな松山もここに来て調子を落としている。2月のジェネシスオープンで今季初の予選落ちを喫し、その後はWGC メキシコ選手権で25位、アーノルド・パーマー招待でも45位に甘んじている。さらに、谷原が奮闘したWGC マッチプレーでは予選敗退に終わって、「(マスターズに向けて)どうにか立て直さないといけない」と、松山の表情も険しかった。

 そうした状況にあって、ブックメーカーのオッズも下降線をたどっている。12月の15-1から、2月には10-1まで期待値は上がったものの、現在は20-1までオッズを下げている。

 不振の要因について、松山本人はこう語る。

「すべて、ですね。フェニックスでは優勝したけれども、(今年に入って)一度も感触がよかったことはない」

 相変わらず、自身のプレーに対する評価は手厳しい。

 松山は「すべて」というが、その中で最も苦しんでいるのは、やはりグリーン上だろう。PGAツアーの今季スタッツでも、ティーからグリーンまでのショットの精度はツアー7位と、それが好調の原動力となっているが、一方でパッティングの貢献度はマイナス.463で、ツアー182位。不振の要因がどこにあるのか、数字の上でも明らかだ。

 とはいえ、松山に希望があるのは、オーガスタのグリーンとの相性がいいこと。それもあって、ここ2大会は連続トップ10フィニッシュを飾っている。

 松山は、2013年には出場を逃したものの、2011年にアマチュアで初出場を果たしてから、今年で4大会連続6度目の出場となる。グリーンを知り尽くしており、それによって松山のパッティングが少しでも復調すれば、上位争いにも絡んでいけるはずだ。

「(今は)何か変えないとよくならないと思う。でも、(マスターズまで)まだ1週間あって、よかった」

 マスターズに目標を定めてきた松山が、いよいよ最終調整に突入。再び面白い戦いを見せてくれることを期待したい。

 今”最も勢いのある選手”として注目されるのは、谷原だ。マスターズには2007年以来、実に10年ぶり(2度目)となるが、その出場権獲得はまさに神がかり的だったと言っても過言ではない。

 昨年12月末の世界ランキングは55位。その時点で、50位までに与えられるマスターズの出場権獲得は逃したが、そこから谷原は「3月27日の世界ランキングで50位以内に入ること」を目標に掲げ、北米、アジアと世界中のツアーを転戦してきた。

 しかし、世界でそう簡単に結果が出せるものではない。WGC メキシコ選手権終了時には、世界ランキングも57位と順位を落とした。これで、もはやマスターズ出場は厳しいと見られていたが、最後のチャンスとなったWGC マッチプレーで、谷原は奇跡を起こした。

 予選グループ初戦でジョーダン・スピース(23歳/アメリカ)を下して勢いに乗ると、そのまま決勝トーナメントに進出。1回戦でポール・ケーシー(39歳/イングランド)、準々決勝でロス・フィッシャー(36歳/イングランド)を破って、ベスト4入りという快挙を遂げた。

 その結果、世界ランキングは48位まで浮上。まさしく土壇場で目標を達成し、見事自力でマスターズへの出場切符を手に入れたのだ。

「神がかり的」と記したが、谷原にとっては、一戦、一戦、丁寧に戦ってきた結果。マスターズでの戦いにも楽しみが広がる。谷原が言う。

「2007年に出場(予選落ち)したときは、フェードしか打てなかった。今はドローも打てるから、それによってどこまでやれるか楽しみ」

 どんなときでも焦らず、いや、焦りを外に見せないだけかもしれないが、常にリラックスした表情を見せてプレーするのが谷原の身上。今の勢いのまま、さらに大きな”奇跡”を起こすのか、注目したい。

 昨季の日本ツアーで賞金王となった池田は、2011年以来、3度目のマスターズ出場となる。今大会では、”台風の目”的な存在として大暴れが期待される。

 長いオフを過ごして、本格的に実戦出場を果たしたのは、3月のWGC メキシコ選手権。同大会では61位に終わったものの、トレーニングでひと回り大きくなった体を駆使して、これまで以上にスケールの大きなゴルフを見せた。

「自分としては、やっていることに間違いはない。しっかりゴルフはできている」と、池田自身、その内容には満足している。

 以来、調子も上向きで、WGC マッチプレー出場後は、アメリカ国内に留まって最終調整を図る。すべてがかみ合ってうまくはまれば、大躍進があってもおかしくない。

 間近に迫ってきた”ゴルフの祭典”。3人の日本人プレーヤーの活躍を楽しみにしたい。

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