90分フル出場でシュートゼロに終わったFW大久保嘉人

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[4.1 J1第5節 FC東京3-3鳥栖 味スタ]

 ゆりかごダンスも喜びは半減だった。「サッカーがしたいね」。FC東京のFW大久保嘉人は厳しい口調で口を開いた。前日3月31日に第4子となる4男が誕生。ゴールと勝利をプレゼントしたい一戦だったが、どちらも叶わなかった。1-1の後半31分にMF橋本拳人のゴールで逆転すると、チームメイトと一緒にゆりかごダンスを披露。ところが、3-1とリードを広げたあとの後半43分、45分に連続失点し、3-3の痛み分けに終わった。

「攻撃的なチームならこういう試合になってもおかしくないけど、ディフェンシブなチームでこういう試合をするのは珍しい」。引き分けという結果以上に内容は散々だった。2点目、3点目はいずれも相手の連係ミスを突いた形。シュート数でも12本対14本と鳥栖を下回ったが、その数字以上にチームとして攻撃の形を見い出せなかったことに大久保は不満を隠さなかった。

 1トップで先発した大久保に良い形でボールが入ることはほとんどなかった。中盤からの押上げも遅く、前線で孤立するだけ。後半13分にFWピーター・ウタカが入ってからはシャドー気味にポジションを下げたとはいえ、90分フル出場で背番号13のシュートはゼロに終わった。

 チームは3勝1分1敗の勝ち点10と、上位につけている。しかし、大久保には危機感しかない。「今までも勝っていたけど、FC東京がどういうサッカーをするのかというのを見せないといけない。勝ったからオーケーでは成長しないし、優勝しない。今までがこういうスタイルじゃなかったのならチャレンジしないといけない」。練習中も試合中も、チームメイトに口酸っぱく要求している。それでも、まだ物足りなさがある。

「流動性がないし、攻められない。“(相手の)ミスで点を取れる”“セットプレーで点を取れる”では今までのFC東京になる。チャレンジしたいし、チャレンジしてほしい」。大型補強を敢行し、生まれ変わろうとしているチームにおいて、13年から15年まで3年連続得点王の大久保を生かし切れているとは言い難い。“生みの苦しみ”の向こうに栄光があるのか――。新生・FC東京の試行錯誤は続いている。

(取材・文 西山紘平)


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