着物ってこんなに簡単! 初心者でも美しく着こなすQ&A【『KIMONO姫』編集長に聞く】
着物の枠にとらわれない着こなしを提案し、アンティーク着物ブームを起こした『KIMONO姫』(祥伝社)。
前回は田辺真由美(たなべ・まゆみ)編集長に着物の魅力や着こなし方を伺いました。でも、着物ってなんだか難しそう……そんなイメージを払拭できない人も多いはず。そこで今回は着物初心者の素朴な疑問にお答えいただきました。
お手入れは? 保管方法は? 知れば意外と簡単な「着物」
Q1.着物のお手入れは大変ではないですか?
私が今着ている着物はポリエステルなので、おうちで洗えます。あまり脱水しないでそのまま干せばアイロンもいりません。着物用のハンガーもありますが、なければ物干し竿に袖をそのまま通しても問題ありません。
Q2.収納場所が心配なのですが、かさばりませんか?
ハンガーにかけたままにすると形が崩れるため、畳んで収納します。畳めば長方形にコンパクトなるので場所は思ったほどとりませんよ。プラスチックのよくある衣装ケースにしまっている人が多いのですが、湿気がこもらないので段ボールに入れとくのが一番!と言う人もいますね。正絹*(しょうけん)でもこの方法で大丈夫です。畳み方は覚えた方がよいですが、着物の本を一冊買えば絶対に紹介されているので参考にしてみてください。
*正絹……絹100%のこと。
Q3.帯の結び方が難しそうです。簡単なものはありますか?
柔らかくて結びやすい、兵児帯(へこおび)というのがあります。本来は小さい子がくしゃくしゃとさせて結ぶものですが最近は女性用の兵児帯もたくさん出ているんです。礼服では避けた方がいいですが、木綿の着物に合わせるならピッタリ。リボン結びをして結び目をふんわり隠せば帯も簡単に出来上がります。帯上げも、細長い布ならスカーフだって大丈夫です。
Q4.30代女性にNGな着こなしはありますか?
そもそも着物は通常の「衣服」なので、清潔感があってその人なりの個性がわかればいいのではないでしょうか。よく若い子が着物をアレンジしたり着崩すことが話題になりますが、それはそれでいいと思います。
唯一注意したいことは、アレンジを楽しむ着物の装いは冠婚葬祭は避けること。洋服で例えると、「コットンのワンピース」くらいのイメージと考えてください。ファッションは基本的に“自分のため”でいいのですが、冠婚葬祭で着用するのは“人のため”に着る衣服です。最低限のマナーさえ守れば、ファッションとして自由に楽みましょう。崩したり、かっちり着たり着方でイメージが変わるのも着物のいいところです。
Q5.着付けはどこで学ぶのが正解ですか?
私の場合は学生時代に町の公民館でやっている無料で着付けられるレッスンに通いました。最低2回、学べばなんとか覚えられます。本や画像を見てやってみるのもいいですが、着付け教室にちゃんと行けばお友達も増えるのでおすすめです。
着る時間は、慣れたら所要時間30分くらい。前の日までにやらなければいけない準備も少しありますが、準備も含めて楽しみましょう。1日だけ体験したいなら、お店で着付けてくれるところもあります。
Q6.他に、上手に着こなすためのポイントはありますか?
髪型ですね。着物は布の面積が多いので頭はボリュームを持たせたほうがいいです。私のようなボリュームのあるボブが楽ですが、帽子をかぶるのもオススメ。洋服よりも帽子が似合います。カジュアルな着物だったらニット帽やストローハットで全然大丈夫ですよ。何もないと足りなく感じるし、メイクも濃いめのほうがいいですね。
続いて4回目は、いよいよ実践編。オススメショップをガイドします。
『KIMONO姫』(祥伝社)
最新号「メイドインジャパン」特集は発売中。
協力:松庵文庫
(有馬美穂)