いよいよ桜の季節。今週末にお花見の予定を立てている人も、少なくないのでは?

お花見にはお酒は欠かせませんよね。ビールもいいけれど、今年はちょっとオトナらしく日本酒にも挑戦してみませんか?

今回は、心おどるこの季節に飲みたい「これぞ、本物のフルーティー」と言える日本酒5本をセレクト。お花見のみならず、ホームパーティーや歓送迎会でも「おいしい!」と歓声が上がること間違いなしの銘柄ばかりです。

月山 純米吟醸/吉田酒造(島根)

島根県安来の名蔵。月山とは、この地を治める富田城があった山の名です。「名水百選」にも選ばれた仕込み水は、このあたりでは珍しい超軟水。ミネラル分の少ないさらりとクリアな水から造られる酒は、すっきり軽快ながら上品な果物の香りを楽しませてくれます。洋ナシのようなエレガントな甘酸っぱい香りがとっても印象的。まさに女性に飲んでほしい日本酒の代表です。

貴 純米吟醸 山田錦50/永山本家酒造場(山口)

名酒ぞろいの山口県の酒蔵。地元では「男山」の銘柄で知られていますが、この「貴」は華やかで白桃のようなフルーティーさを楽しめるモダンな日本酒。香り豊かなだけではなく、米の旨味もしっかり感じられ飲み応えがあるので、全国の日本酒ファンから注目されています。「貴」は蔵元でもあり杜氏でもある永山貴博さんのお名前から。お酒も貴さんもファンに愛されています。

大信州 純米大吟醸 金紋錦(大信州酒造/長野)

銘柄名通り長野県信州の蔵元。長野県産の米と南アルプスのおいしい水で醸されるみずみずしい新酒を冷温貯蔵しています。貯蔵していたにもかかわらず、まるでもぎたての完熟グレープフルーツみたいにフレッシュで甘酸っぱい香りに満たされています。ある仕事でご一緒したソムリエの資格を持つCAさんから高評価。女性にもしっかり認められる香り華やかな日本酒の代表です。

醸し人九平次 彼の地(萬醸醸造/愛知)

愛知県名古屋で生まれたこの日本酒は、国内だけでなく、今や世界の「九平次」と呼ばれるまでに成長しました。かれこれ20年ほど前になるでしょうか、九平治がリリースされた頃は「これが日本酒?」と思うほどに極めつけにフルーティーでした。今は、「落ち着き」と「深み」に、心そそられる「果実香」を兼ね添え、世界の市場で勝負しています。現代表の九平次さんは、最近ではブルゴーニュにてワイン造りにも取り組んでいる素敵なチャレンジャーです(写真のボトルはテイスティング時のものとはヴィンテージが異なります)。

モダン仙禽((株)せんきん/栃木)

全国にマニアックなファンを持つ栃木県の仙禽。江戸後期から続く伝統の味わいを、11代目となる薄井一樹さんらが大胆に変革をしたのが2008年。以来、日本酒初心者や舌の肥えた女性たちから一気に支持を集めました。年を重ねるごとに味わいに深みが増し、従来の日本酒ファンからも注目を集めるほどに。完熟バナナやパイナップルを連想するトロピカルフルーツのような香りと、米由来の落ち着いた味わいのバランスが魅力です。

ソムリエが選んだ5本

実は今回紹介した5本は、筆者がソムリエとして参加した、雑誌penの「2017年決定版! ソムリエが選ぶおいしい日本酒」特集(2月発売号)にて、『香り豊かな日本酒部門』で星付きになった銘柄。ソムリエたちがブランドテイスティングをして、ガチで香りを判断したものばかりなんです。ですから、そのフルーティーな味わいには、太鼓判を押せます。

お花見のお酒に迷っているなら、今回の5本から選んでみてください。老若男女問わず、みんなから「おいしい!」と喜んでもらえるはずですよ。