見た目には牛肉を使ったハンバーガーと区別が付かないのに、動物の肉を一切使わず植物性タンパク質だけで人工的に作ったハンバーガー「Impossible Burger」が、いよいよ全米に店舗を展開することになりました。ベジタリアンでも食べられるImpossible Burgerですが、地球規模の環境問題を克服するための壮大な目標があります。

Impossible Foods

https://www.impossiblefoods.com/

Startup Impossible Foods says it can now produce enough for 4 million meatless burgers a month-taking on its food-tech rivals and, soon, McDonald's (MCD) - Quartz

https://qz.com/939320/a-startup-says-it-can-now-produce-enough-for-4-million-meatless-burgers-a-month/

Impossible Burgerがどんな人工肉バーガーなのかは、以下の記事を読めば分かります。

100%植物原料なのに焼くと肉汁がしたたり味も匂いも肉そのものな「Impossible Foods」 - GIGAZINE



レストランのシェフがImpossible Burgerを調理して、「牛肉と変わらない」と感想を漏らす様子は以下のムービーで確認できます。

A Quest for an All-American Burger... Without Meat - YouTube

Impossible Burgerは見た目は牛肉を使ったハンバーガーと変わることがありませんが、中身は植物性タンパク質から作った人工肉で、牛、豚、鶏などの動物の肉を一切用いていないのが大きな特長です。



Impossible Burgerはベジタリアンやビーガンなど信条を理由に動物の肉を食べない人たちでも食べられるという動物の肉を使っていないハンバーガーですが、開発の目的はベジタリンのためではありません。

牛肉や豚肉を作るために牛や豚を飼育することで、地球では大量の牧草や飼料が必要で、肉牛の飼育で言えば大量の水を必要とするために水不足が懸念される中で、地球規模の環境問題にもなっているとのこと。肉を得るために動物を育てることが原因で起こっている地球規模の環境問題を解決する手段として、植物由来の人工肉を普及させるのがImpossible Burgerを開発するImpossible Foodsの大きな目標です。

Impossible Burgerは、大麦、ココナッツ、大豆などの植物からタンパク質を採取して組み合わせることで、味、栄養価、見た目まで牛肉にそっくりな人工肉を科学的に作り出しているとのこと。植物由来のヘムを使って赤身の色を再現したり、肉汁まで再現するこだわりようで、一見すると植物由来の人工肉だとは気付かないレベルです。



すでにアメリカ国内の一部地域で販売されていたImpossible Burgerは、カリフォルニア州オークランドに大型の人工肉製造工場を完成させる見込みで、工場が稼働すると毎月に100万ポンド(約450トン)の人工肉を大量精選できるようになります。Impossible Foodsのパトリック・ブラウンCEOは、「私たちの使命について真剣に考えています。今、動物の肉を使って作られているあらゆる食品と競争できるレベルの製品を作るつもりです」と語っており、大量生産によって牛肉を使ったハンバーガーの約4倍の価格のImpossible Burgerの単価を下げる計画。大量生産した人工肉は現在の250倍の生産量でレストラン1000店に肉を納入できる規模になる予定です。

Impossible Burger以外にも幹細胞を使って人工チキンを製造する「Memphis Meats」など、シリコンバレーには人工肉を製造するスタートアップが次々と誕生しており、近い将来、人工肉が世界中の外食産業を一変させる可能性がありそうです。

ニワトリや牛の細胞から培養された「人工食肉」が2020年代にも食卓に並ぶ見込み - GIGAZINE