本作でオスカー候補に躍り出た

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 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのアラゴルン役で知られるビゴ・モーテンセンとマット・ロス監督が、初タッグを組んだ「はじまりへの旅」(公開中)について語るインタビュー映像が、公開された。

 モーテンセンが、第89回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートを果たし、ロス監督が、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞に輝いたロードムービー。世間と隔絶したアメリカ北西部の森で自給自足生活を送るベン・キャッシュ(モーテンセン)と6人の子どもたち。風変わりながらも協力して暮らしていたキャッシュ家は、入院中の母が亡くなったと知り、葬儀に参加するために2400キロ離れたニューメキシコへと旅立つ。

 「子どもたちはアラゴルンのファンだった」と語るモーテンセンは「プレミアに(『ロード・オブ・ザ・リング』の共演者)オーランド・ブルームが来たときは、まるで天からブッダが降りてきたかのように興奮していたよ。僕は『毎回こんな奇跡は起こらないからね、チャーリー(・ショットウェル。末っ子ナイ役)』と言ったんだ(笑)。子どもたちとたくさん仕事をしてきたけれど、一度に6人と仕事をしたのは初めてだった。年齢関係なく彼らは真の俳優だったよ。マット(・ロス監督)は知的で情熱的な子を集めてくれたから素晴らしい時間を過ごすことができた」と充実の表情を見せる。

 作品の内容については「この映画は、まるで1つの曲のように広がりを持って展開されていくんだ。一部だけ取り出して語ることはできないよ。石を水に投げたときの波紋のように展開していく。最初は森で暮らす変わった家族が描かれるけれど、その後、保守的な祖父母が出てくる。どちらが絶対的に正しいわけじゃない。もっと複雑なんだ。誰もが間違うときもあれば正しいときもある。そのバランスが大事なんだ。一家が自分たちの道を見つけていくようにね」(モーテンセン)と深い洞察をまじえた意見を述べている。

 ロス監督は、撮影で苦労したエピソードとして「野生の鹿を探すのに1日かかった。動物トレーナーと一緒にね。鹿は本来訓練できる動物ではない。だから僕らは鹿のために丸1日使って森ごと作り出した。そして僕らは森で16時間も鹿を探したんだ。鹿が反応するハサミを持ってね。最初鹿は空腹で木を食べていた。その後トレーナーが鹿にルートを教えたが、まったく言うことを聞かなかった。鹿とはもう仕事をしたくないかな」と冗談めかして語っている。

 モーテンセンがお気に入りだというシーンの映像も挿入されており、母が死んだと知った子どもたちが涙を流すなか、ベンが「何も変わらない。今までどおりに生活するだけだ。俺たちは家族だ」と絶望に打ちひしがれながらも家族をまとめようとする姿が切り取られている。