『テレ東流 ハンデを武器にする極意』  伊藤成人 著  岩波書店  202p 1700円(税別)

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「番外地」だからこそ生み出される独創性

 「開運!なんでも鑑定団」という人気テレビ番組がある。テレビ東京(以下、テレ東)が現在も放送している、今年23年目にもなる長寿番組だ。系列6局や各地のケーブルテレビでも放映されているので、首都圏以外にもファンが多いかもしれない。

 この番組はスタジオ収録のほかに、日本各地の劇場やホールで公開収録されている。一般視聴者が所有する「お宝」を、古美術品などの専門家たちが番組内で鑑定し、値つけを行うなどするバラエティ番組である。

 公開収録では、お宝の所有者本人が自らの評価額を先に提示。最後に専門家たちが鑑定結果を発表する。本人は自信満々で高額評価したのに、鑑定の結果、二束三文の値しかつかず会場から笑いが起こることも。逆に本人が予想だにしなかった高額の鑑定結果が出て、会場からどよめきとともに拍手が起こったりもする。

 素人である出品者がお宝への思い入れを一所懸命に語るのを見ていると、なんだかこちらも力が入る。そして鑑定結果に一喜一憂する様子に、すっかり感情移入させられる。とても面白い番組だ。

 テレ東は、このような他局にはない独創的なバラエティ番組をたくさん放送している。その独創的な番組作りの秘訣はどこにあるのだろうか。

 本書『テレ東流 ハンデを武器にする極意』の著者、伊藤成人氏は、1974年に東京12チャンネル(現在のテレビ東京)に入社。その後同社で制作局次長、企画委員、制作取締役を歴任。「ヤンヤン歌うスタジオ」「演歌の花道」ディレクターなどを経て、「浅草橋ヤング洋品店(ASAYAN)」「たけしの誰でもピカソ」といった数々の人気番組をプロデュースしてきた。映画、舞台、事業イベントのプロデューサーとしても活躍しており、現在は番組プロデュース、ステージ演出をはじめ、企画ブレーン、研修講師なども務める人物だ。

 伊藤氏が入社した当時の東京12チャンネルは、倒産寸前だったという。当時の民放はテレビ朝日、日本テレビ、TBS、フジテレビの4大キー局が中心。「キー局」とは、番組を制作し、系列のローカル局に対して番組の卸売りや広告料の分配を行う放送局である。東京12チャンネルも4大キー局に続く5番目のキー局ではあった。しかし系列局は6局のみ。これは4大キー局の中でもっとも系列局が少ないテレビ朝日系列の4分の1だ。

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