米国の無政府主義者グループが起こした法律無視の行動は、道路補修だった

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穴ぼこだらけの道路をいつまでも放っておく市当局に業を煮やした米国オレゴン州・ポートランドのアナーキストグループが、法律違反を承知で道路補修工事を始めた。

アナーキスト(無政府主義者)とは、国家や政府の権力を不要のものと考え、無政府社会の実現を求める人たちのことだ。

穴ぼこだらけの道路事情

米国オレゴン州ポートランド市は、同州最大の都市で、緑が多く「環境に優しい都市」と言われている。ところが、道路のあちこちに出来た穴ぼこが補修されないまま放置されており、自動車や自転車の通行が非常に不便になっているらしい。

こんな状況に我慢できなくなった地元のアナーキストたちが、今年2月に「ポートランド・アナーキスト・ロードケア(Portland Anarchist Road Care)」を結成。自主的に穴埋め補修工事を行ない、現在、市内3ブロックの道路で工事を完了させている。

「ポートランドの道路はひどくなるばかりだ。でも市民は何もできない。誰かが(市が)直してくれるのを待っているしかない。これはおかしいだろう?」

アナーキストグループのあるメンバーは、海外メディアの取材を受けてこう語っている。

「そこでジョン・ルイス(キング牧師と共闘したジョン・ルイス下院議員)の有名な言葉を思い出したんだ--我々がやらねば誰がやる? 今やらないならいつやる? その2日後、メンバーは皆道路の穴埋めをやっていたよ」

Portland Anarchist Road Care/Facebook

Portland Anarchist Road Care/Facebook

勝手な補修工事は違法

市当局は、アナーキストグループによる補修工事にいい顔をしていない。彼らが市の正式な許可を受けていないからだ。

「車が走る道路で作業するのは、本人たちにとって危険なことだ。それに、適切な機材を持たない素人がアスファルトの工事をすること自体も危険だ」

ポートランド市交通局のディラン・リベラ氏はこう言う。これに対してアナーキストグループの代表は次のように答えている。

「我々が許可申請しないのは、道路が市当局のものでなく、我々市民のものだからだ。市民の道路は市民が直していいはずだ」

Portland Anarchist Road Care/Facebook

Portland Anarchist Road Care/Facebook

世論に押されて市も腰を上げる

アナーキストグループのこの活動はメジャーなメディアでも取り上げられ、全米が注目することとなった。その後、市は急きょ道路補修工事に人員を投入し、数ヶ月分の作業を1日で終わらせ、約900の穴を埋めた。しかし、未補修の穴はまだ多く残っているとのこと。

「ポートランド・アナーキスト・ロードケア」のFacebookには、現在、6,000を超えるフォロワーがつき、工事作業に協力したいというボランティアの申し出が絶えないそうだ。