先の阪神大賞典で“現役最強馬”の呼び声高いサトノダイヤモンドが快勝した。昨年秋に菊花賞で初G祇覇を達成すると、続く年末の有馬記念ではキタサンブラックやゴールドアクターなどの強豪を撃破。2017年に入り陣営は早くも今年の凱旋門賞挑戦を明言するなど、日本を代表するクラスの馬に急成長した注目の1頭である。

同馬は2013年のセレクトセールで2億4000万円もの高額で取引きされているが、阪神大賞典出走前の獲得総賞金は約6億7000万円と自身の購入額に対して既に倍以上も稼いでいるのだ。今後も同様の活躍が予想され、故障さえ無ければ10億円は軽く突破するであろう事から預託料などの諸経費を含めても十分に回収済みの馬主孝行な馬でもある。

ちなみに、このセレクトセールで同馬よりも高値の2億5000万円で競り落とされたロイカバードと言う馬がいるのはご存知だろうか??サトノダイヤモンドと同じディープインパクト産駒で母はアメリカのG気11勝した名牝アゼリの超良血馬だ。生産も同じノーザンファームと言う事もあり、何かとこの2頭は比較され続けて来た経緯があった。

そして時は経て、奇しくも両馬は同じデビュー戦に出走。各メディアも“5億円対決”と大々的に記事にするなど、多くの競馬ファンがその直接対決に注目する事となる。しかし、結果はサトノダイヤモンドの圧勝。ロイカバードも2着には入線するが、レース内容から見ても2頭の能力には明らかに大きな差があった。結果、4歳年明け時点でサトノダイヤモンドは前述の賞金額(8戦6勝)に対し、ロイカバードは約7500万円(10戦4勝)。回収して更に利益を出す為には残り1億8000万円を稼がなければならず、馬主的にはさぞ頭を抱えているのではないだろうか。実績的には少なくとも重賞を4勝以上しなくてはならず、これまでの走りを鑑みてもその道程はかなり険しいものがあると感じている次第。

話は戻すが、一方のサトノダイヤモンドはG1を2勝。今年も何かしらのタイトルを獲得する筈で引退後の種牡馬入りは決定的だ。するとその際にシンジケートが組まれるか、もしくは馬主が自ら繋養すれば種付け料で多額の富を得られる。そこで成功すれば継続的に臨時収入も入って来る事になり、その累計額は我々の予想を遥かに超えるものと予測される。

共に有名な個人馬主が競り落としたが、同じ2億円超えの投資で何十倍もの収益の差が開くとは思ってもいなかっただろう。勿論、いずれもこれ以外に多数の競走馬を所有しており、全頭での収支を計算すればまた違った結果が出る。が、1頭単位でフューチャーして見て行くと馬主と言う職業もそう甘くは無い事が如実に浮き彫りとなって来るのだ。

こうして考えれば、オーナーサイドも毎回VIPルームから優雅にレースを見下ろしている訳でも無さそうである。もしかすると、我々馬券を買う一般層よりも更に激高したテンションで所有馬の走りに一喜一憂しているのかもしれない。そう言う意味でも、同情の意味も込めてロイカバードの更なる活躍を祈るばかり。サトノダイヤモンドは次の天皇賞春でも確勝級に対して、ロイカバードの次走はダービー卿CTとの事。今のところ大きく明暗分かれた形となっているが、そこで馬主に対して少しの明かりを灯して欲しいものである。

(コラムの内容と写真は関係ありません。)