31日に収賄などの容疑で逮捕された朴槿恵前韓国大統領の任期中の“独特な発言”が、韓国のネットユーザーの間で再び注目を集めている。写真は朴前大統領。

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2017年3月31日に収賄などの容疑で逮捕された朴槿恵(パク・クネ)前韓国大統領の任期中の“独特な発言”が、韓国のネットユーザーの間で再び注目を集めている。

韓国・ハンギョレ新聞によると、朴氏の言葉は単なる「事実の伝達」ではなく、国政の哲学や方向性を国民に共有し、説明し、説得するための道具である。そのため、国民に言いたいことをきめ細やかに伝えることが重要となる。しかし、朴氏は任期中、即席の演説や会話の際に飛び出す“独特な発言”で常に話題を集めていた。自分だけが“完全無欠な存在”という認識に基づく不通の語法、めちゃくちゃな語順と「その」「あの」などの指示代名詞や重言の多い話法、具体的な事実関係ではなく、魂や宇宙、エネルギーなどの言葉を駆使する神秘主義的な話法が代表的である。ある政界関係者は朴氏について「大統領になりたかったが、大統領をやりたくはなかった人」と表現した。権力志向は誰よりも強かったが、大統領職をやり遂げる能力と意志はなかったということだ。朴氏は任期中、「3無政府(無能・無責任・無気力)」という批判に苦しんだ。

朴氏は大統領就任前、沈黙もしくは必要な時に一言だけ述べる方式を好んでいたが、就任後は数多くのスピーチや会議、懇談会などに追われた。朴氏が即席の演説をすることはほとんどなく、事前に用意された原稿を読む形式を好んでいた。朴氏がとっさに発した言葉は「状況に合わない」「意味不明な比喩」「共感力が不十分」「幽体離脱話法」などと酷評された。

例えば、2015年に韓国でMERS(中東呼吸器症候群)が流行した際、朴氏は最初の感染者が発生してから2週間後にようやく対応官民合同緊急点検会議を開き、「これまでのいくつかの問題について、国民の不安の中でどうやって確実に対処法を用意するか、このようなことを政府が明らかにしなければならない」と述べて批判を浴びた。また、2015年5月5日の子供の日のイベントでは「切実に願えば全宇宙が助けてくれる。だから夢はかなう。そんな美しい夢が必ずかなうと考えて…」とコメント、国定歴史教科書の必要性を訴える時には「恥ずかしい歴史とみられるのはどの部分か」との質問に対し「全体的に本を見るとそのような気運が感じられる」と話し、パロディーや皮肉の対象となった。ある議員は朴氏の神秘主義的な発言について、「ファンタジー映画の主人公ではなく大統領の口から出るのは適切ではない。非常におかしく不思議で、怪奇に感じられる」と指摘した。

さらに、朴氏は自身の気持ちに反する状況や人を許すことができなかった。朴氏は父親の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が暗殺された後のことについて、「当時、父と親しかった人さえも冷ややかに変わっていく現実は私にとって大きな衝撃だった」と話したこともある。朴氏は裏切りと義理で人を判断し、耐えられない時には「裏切り者」として排除した。2015年6月25日の国務会議では「選挙で当選した後に、(国民の)信頼に背く裏切りの政治は、覇権主義とコネ政治を量産することになる。選挙で国民が必ず審判してほしい」と発言していた。

朴氏は大統領罷免から10日後の3月21日、検察による取り調べを受ける際は国民に「申し訳ないと思っている。誠実に取り調べを受ける」という短いメッセージを残し、30日に拘束前被疑者審問(勾留質問)を受ける際は何も語らなかった。

ハンギョレ新聞は最後に、「民主主義の核心は説得の政治だ。だから『言葉』は民主政治で必須となる」という盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の言葉を紹介し、「民主主義を体得できなかった朴前大統領には非常に難しい注文だったようだ」と伝えている。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「今考えると、朴前大統領の発言は本当にひどかった」「同情は期待しないで。朴前大統領のしたことを考えると、はらわたが煮えくり返る」「逮捕されてよかった。国民の気運が逮捕に導いた!」「朴槿恵は私が学校で習った言語と違う言語を話していた」「神秘主義…。芸能人のつもり?」「朴槿恵専用の翻訳機が必要」「国民とコミュニケーションをとろうとしなかった理由は『無知がばれるから』だったのか」など、朴氏に対する厳しいコメントが多数寄せられている。(翻訳・編集/堂本)