【土屋雅史氏のJ2展望】長崎vs山形では“高木親子対決”が実現…加地所属の岡山は東京Vに競り勝つと予想

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 開幕戦で勝利を収めたものの、以降は4試合連続のドローで11位に付けている山形と、3勝1分1敗と開幕ダッシュに成功し、現在は連勝中の4位と好調をキープしている長崎。この一戦では昨年とうとう実現した“親子対決”に注目が集まります。

 父は長崎の指揮官を務める高木琢也監督。現役時代はJリーグ開幕当初の広島でエースとして君臨し、1994年にはステージ優勝も経験。日本代表としてもドーハの悲劇に立ち会うなど、“アジアの大砲”という異名にふさわしい、90年代の日本を代表するストライカーだった高木監督は、引退後にそれこそJ SPORTSでも解説者として活躍されていましたが、2006年に横浜Cのコーチに就任すると、何と開幕節が終了した段階での監督解任という前代未聞の状況を受け、いきなり監督という立場へ。その手腕を危惧する声もあった中で、驚異の快進撃を続けて誰もが予想し得なかったクラブ史上初となるJ1昇格を達成。以降も東京Vと熊本の監督を歴任し、2013年からは地元でもある長崎に帰還。ここでもJ2初挑戦のチームを率いて6位に入り、J1昇格プレーオフへ。2015年シーズンにもやはり6位でJ1昇格プレーオフまで進出するなど、着実に名将と呼ばれるにふさわしい道のりを歩み続けていると言っていいでしょう。

 子は山形の左サイドを切り裂くレフティの高木利弥。F東京U−15深川で3年間に渡って
その技術を磨くと、名門の帝京高校では1年時からレギュラーとして活躍し、稲垣祥(甲府)、伊藤竜司(藤枝)といった先輩たちと全国の舞台を踏んだものの、3年時の選手権は予選決勝での敗退を余儀なくされてしまいます。大学は近年力を付けてきている神奈川大学へ進学し、ここでも左サイドバックの定位置を確保しながら、同期の伊東純也(柏)らと共にプレーし、4年時にはリーグのベストイレブンにも選出。2015年に加入した山形でもルーキーイヤーから石信弘監督に起用され、J1で20試合出場という貴重な経験を積むことになり、昨シーズンもコンスタントに出場機会を得ていた中で、第40節の長崎戦にはスタメンで90分間フル出場。選手と監督という立場では、Jリーグ史上初めての“親子対決”を勝利で飾ることとなりました。

 今シーズンの利弥は第2節の千葉戦で途中出場を果たし、第3節、第4節とスタメン起用されるも、前節の出場機会はなし。熾烈なポジション争いの中に身を置いています。当然今節も“親子対決”に注目が集まるのは間違いない所ですが、ここは好調をキープしている長崎がきっちり結果を残し、高木監督が父の貫録を見せつけるリベンジを達成すると予想して、「1」にマークしたいと思います!

 昨シーズンは過去最高の6位に入り、J1昇格プレーオフへ進出。その準決勝では松本を劇的な後半アディショナルタイム弾で下し、決勝ではC大阪に0−1と惜敗する格好で昇格にはあと一歩届かなかったものの、クラブ史に残る1年を過ごした岡山。改めてJ1という未知の世界へ挑んでいる今シーズンのチームの中で、最年長の37歳として開幕から第5節までフル出場を続けている加地亮の存在を見逃す訳にはいきません。

 2006年のFIFAドイツワールドカップに日本代表の右サイドバックとして出場。代表キャップは64試合を数え、G大阪在籍時はナビスコ杯や天皇杯に加えて、ACLのタイトルも獲得するなど、国内有数の経験値を誇っている加地。2014年にはMLSのチーバスUSAに新天地を求めたものの、そのシーズンにチームは活動停止。所属のなくなってしまった彼が、国内復帰の場として選択したのは、F東京時代に指導を仰いだことのある長澤徹監督が新指揮官に就任していた岡山でした。

 ここ2シーズンで着実にステップアップを遂げてきたチームでしたが、このオフは岩政大樹(東京ユナイテッドFC)、矢島慎也(浦和)、中林洋次(広島)、押谷祐樹(名古屋)とその躍進を支えてきた主力がチームを去ることに。迎えた今シーズンは開幕戦で名古屋に敗れると、以降の2試合はいずれもドローと勝ち切れず、結果の出ない時期が続きます。それでも、ホームで戦った第4節の京都戦は劇的な逆転勝利。前節の群馬戦も完全に主導権を奪われた前半に先制を許しながら、その前半の内にPKで何とか追い付くと、後半にもややラッキーな形でゴールを奪い、2試合続けての逆転勝利。傍から見れば勢いの付く連勝を手にした試合後の加地は、「ここから良い流れになるのかどうかは自分たち次第だと思いますし、考え方次第で『プラスに捉えてもいいかな』という試合ではありますけど、あまり喜べる試合ではないですよね」と冷静に現状を見つめていました。

 話は明らかにうまく回っていなかった前半に。「サンドバック状態でしたね」と45分を振り返った加地は、ピッチ内での修正について「やろうとはしていましたけど、『やっていいの?』みたいな。マジメな選手が多いので『それをやっていいの?』みたいな感じはあったので、『いいよ。やろうやろう』と話しました」と言及しつつ、「そこは臨機応変にやれればいいですしね。自分たちの状況が良くなるんだったら、自分たちで判断してやるべきだと思いますし、後でしっかり責任を取ればいい訳ですから」と続けます。国際舞台も含めて数々の修羅場を潜ってきているからこそ、理解している自主性と組織のバランス。その話を聞きながら「こういう選手のいるチームは強いなあ」と感じました。

 今節の岡山がシティライトスタジアムに迎え入れるのは、怒涛の4連勝で2位まで浮上してきた東京V。スペイン人指揮官のロティーナ監督の下、ソリッドな守備をベースにJ2へ新風を吹き込んでいる難敵です。ただ、勝負の勘所を知り尽くしている加地の存在や、2試合連続で逆転勝利を手にしている点を考慮しても、岡山のバイオリズムが上昇しているのも明らか。ここはホームチームが意地を見せることを予想して、「1」で勝負します!

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第6節
2017年4月2日(日)13時キックオフ
V・ファーレン長崎vsモンテディオ山形(トランスコスモススタジアム長崎)

■明治安田生命J2リーグ第6節
2017年4月2日(日)14時キックオフ
ファジアーノ岡山vs東京ヴェルディ(シティライトスタジアム)