『秘密結社 鷹の爪』DLE、急成長のウラに隠された決算上の疑念とは?

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『秘密結社 鷹の爪(通称:鷹の爪団)』『パンパカパンツ』などのフラッシュアニメで有名なアニメ制作会社、ディー・エル・イー(DLE)。元ソニーの椎木隆太社長率いる年商30億円の東証一部上場企業だ。

 3月22日にはバットマンやスーパーマンなどの超有名コンテンツを有するDCエンターテイメントと、タッグを組んだ映画製作が発表されるなど話題を振りまいている。本業以外でも「TOKYO GIRLS COLLECTION」(TGC)の著作権と運営会社を買収し、中国進出も視野にいれるなど積極的だ。

 しかし、DLEの数字上の売上高・利益と実態は乖離している可能性がある。

◆「売上債権」が急激に膨らむ

 同社のビジネスモデルの特徴は「ファストコンテンツ」と呼ばれる。自社で著作権を持ちつつ、(映画やテレビ番組と比べて)安価かつ短期間で、大量にアニメコンテンツを作れるのだ。

 しかし、売上の中でもまだ入金をえていないものをさす「売上債権」が、売上を上回る異常なスピードで膨らんでいる。筆者はまずここに注目した。

⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=135332

 なにせ売上に占める売上債権の割合を示す売上債権回転期間は4か月弱で推移しており、前受金が受け取れるのが、一般的であるこの業界においては他に例をみない数字だ。

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 IPビジネス最大手のバンダイナムコホールディングスや制作会社の東映アニメーション、同じ制作ベンチャーのIGポートやティー・ワイ・オーなどは2か月程度と正常な値を示している。

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 2016年8月に開催された2016年6月期決算の説明会で、筆者が同社CFOの川島祟氏に指摘したところ、「大型案件を受注したためであり、今後は回収が進む」との回答を得た。HP上にも「売掛金の回収は順調に行われており滞留債権はありません」との記載がある。しかし、次の四半期決算ではむしろ(9.8億円→16.8億円)とほぼ倍増した。

 そもそも、映画ビジネスにおける売上の計上と入金の流れは一般的にどうなっているのだろうか?

◆映画ビジネスの収益の立て方

 DLEがアニメコンテンツを作る際は、まず「製作委員会」を作り、ゴンゾなど他のアニメ会社や、博報堂などの代理店、それにおもちゃメーカーなどから出資を受ける。そこで合意書を締結するのだが、DLEはそれを根拠にその時点で売上に計上するという。だが、合意書ができた段階ではまだアニメは完成していない。製作委員会の組成後に製作が始まるケースもあるという。

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 だが、こちらの公認会計士のレポート「映画製作の会計実務」によれば、映画ビジネスの収益の認識は、

「(1)収益認識 次の5条件の全てを満たす時点において、収益が認識される。
仝楜劼箸隆屬稜箴緞瑤魯薀ぅ札鵐昂戚鵑亡悗垢覿い証拠が存在すること。
契約書の条件に沿った映画が完成しており、即座のかつ無条件での出荷や利用が可能であること。
7戚鷯紊離薀ぅ札鵐拘間が開始されており、顧客が配給、公開又は販売が開始可能であること。
し戚鷯紊亮入額が固定されているか又は決定可能であること。
シ戚鷯紊亮入の回収可能性が合理的に確実であること」

 と定義されている。しかし、それに反してDLEは「契約書の条件に沿った映画が完成しており、即座のかつ無条件での出荷や利用が可能であること」を満たしていないように見受けられる。筆者が広報に取材した際も「映画の完成前に製作委員会をつくって合意書を作っており、その時点で売上に計上している」と明言している。