清水富美加の凄みが集約――映画『暗黒女子』本編映像解禁! 監督「他の役者さんとは違う」

写真拡大

 清水富美加、飯豊まりえのW主演映画『暗黒女子』。2017年4月1日の全国公開へ向け、本編映像が解禁となった(http://youtu.be/h5oAirGQVRw)。

 公開された映像は、謎の死を遂げた白石いつみ(飯豊まりえ)が会長を務めていた文学サークルのメンバーが、それぞれ犯人を告発する小説を朗読し終えた場面。いつみが場面ごとに表情をくるくると変えるキャラクターであるのに対して、会長の座を引き継いだ親友の澄川小百合(清水富美加)は常に控えめで一貫して感情の抑揚を外に出さない謎めいた役どころ。いつみが遺した小説が存在すると知った高校生作家・高岡志夜(清野菜名)が激しく動揺するのに対して、声を荒げることなくかすかな口調の変化やスピード、表情の変化だけでとてつもない威圧感を与えている。

 この清水の細かな目盛り設定さながらの緻密な演技について、本作で共同作業を行った耶雲哉治監督は「清水さんにはある程度のイメージだけ伝えていて、それに対して彼女が提出してきたものです。彼女とは見えているイメージが同じだったので、“あ、今の失敗しました!こ う言わなきゃいけないのに! もう1回お願いします!”と自分から申し出てくれることも結構ありました」と振り返る。

 また、小百合自身はいつみを影で支えるキャラクターで、佇まいや言葉遣いにもどこか現代的ではない古風さも持つ。キャラクター作りの参考にと監督が清水に薦めたのは、市川崑監督作『黒い十人の女』(61)での山本富士子や岸恵子といった昭和の大女優の存在。清水は、クランクインに向けて監督が求めるゆっくりとしつつ語尾を大事にするような言葉遣いを完璧にマスターしてきたが、彼女が実際に参考にしたのは自身で腑に落ちることができた滝川クリステルだった。監督は、清水の“勝手なアレンジ”を笑って受け入れつつ、「難しい課題に対して自分なりに考えて答えを導き出せる女優なんだな」と、その時に思ったことを明かす。

 劇中、いつみと小百合が重なって見える場面がいくつかあるが、監督は本作を通じての清水とのやりとりで最も印象的だったエピソードとして、清水と飯豊が同じセリフを言う場面などを撮った時のことを挙げる。小百合役の清水がいつみの書いた朗読小説を代読するシーンの撮影では、「清水さんは“すごく難しい! まりえちゃんはこんな難しい役やってるの!?”とか、“私のは使わないでください! っていうぐらいに難しい!”とか、“いつみの気持ちで読むこの独白は本当に難しい”ということを何度も繰り返し言っていたのが印象的でした」と明かし、その録音作業の後で飲みに行った時になってもなお“まりえちゃんの声の方がいいですよ”と言い続けていたという裏話を教えてくれた。監督は、「何でも上手にさらっとやってしまうような印象があったけど、清水さんでもそんな風に思うんだ……と意外に感じました」と語る。

 最後に監督は、本作の撮影を通じて感じた清水富美加という女優について、「作品のためになるアイデアを出してくれる方で、ある意味で天才かなと思います」ときっぱり語る。さらに、「このキャラクターがこの映画の中でどう見えればこの作品がよく見えるのかと、というところまで俯瞰で見えている部分が他の役者さんとは違う気がします。その上で、自分が演じるこのキャラクターがやるべき到達点、逆にやるべきでないこと……といった計算が出来る人です」と手放しで称えた。


◎公開情報
2017年4月1日(土)全国公開
出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏/平祐奈/升毅 千葉雄大
原作:秋吉理香子『暗黒女子』(双葉文庫)
監督:耶雲哉治
脚本:岡田麿里 
制作プロダクション:ROBOT 
配給:東映/ショウゲート
(C)2017「暗黒女子」製作委員会(C)秋吉理香子/双葉社
<ストーリー>
学園のカリスマ“白石いつみ”の謎の死―─「この中の誰かが彼女を殺した。」 
セレブ女子高生たちが通う、聖母マリア女子高等学院。ある日、学院の経営者の娘で、全校生徒の憧れの的だった〈白石いつみ〉が謎の死を遂げる。校舎の屋上から落下したのだが、自殺か他殺か、事故なのかもわからない。やがて、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が立つ。いつみの親友だった澄川小百合がサークルの会長を引き継ぎ、部員が自作の物語を朗読する定例会を開催する。今回のテーマは、「いつみの死」。それぞれを“犯人”と告発する作品が発表されていく。物語は5つ、動機と結末も5つ──果たして真実はあるのか?