離婚率は下がってる!? 「離婚率」から読み解く日本の結婚事情

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3組に1組のカップルは離婚している― 果たしてそれは本当なのでしょうか。また、「離婚率」の高い居住地や年齢など、離婚しやすい条件や環境はあるのでしょうか? 今回は「離婚率」にまつわるデータを集めてみました。

<目次>
■日本の「離婚率」
■世界主要国の「離婚率」
■都道府県別に見る「離婚率」
■日本における離婚率の推移
■「離婚率」の高い年齢
■まとめ

■日本の「離婚率」

テレビをつければ、有名人の離婚が話題になっていることもしばしば。友人や知人の中にも、離婚経験者はいるのではないでしょうか? 昔と比べると現在は離婚に対する世間の風当たりは弱くなっていることから、離婚という選択肢が身近になっているのかもしれません。実際のところ、日本の離婚率はどのくらいなのか調べてみました。

厚生労働省が発表した「平成27年(2015年)人口動態統計(確定数)の概況」(※1)によると、婚姻件数は 63 万 5156組であるのに対し、離婚件数は22 万 6215 組でした。この数字だけを見ると、およそ3組に1組が離婚していることがわかります。

しかし、これは「調査年に結婚した夫婦」と「調査年に離婚した夫婦」を対比しているだけに過ぎません。現在、日本では晩婚化であるのに加え、婚姻数自体が少なくなっています。そのため、調査年の結婚数と離婚数を比較すると、離婚した人の割合が大きく見えてしまっているのです。

同データによると。人口1,000人当たりの離婚件数を示す離婚率は、「1.81」となっています。1,000人あたり1.81人が離婚しているという計算です。ちなみに2014年の離婚率は「1.77」なので、前年度より離婚率は若干上昇していることが分かります。

■世界主要国の「離婚率」

日本の離婚率(2015年)は1000人あたり「1.81」であるというデータをご紹介しましたが、この離婚率は他の国と比べて高いのでしょうか? それとも低いのでしょうか? そこで、G8に加入している世界の主要国の離婚率を調べてみました。(※2)

第1位 ロシア 4.7
第2位 アメリカ 2.8
第3位 ドイツ 2.3
第4位 イギリス 2.1
第4位 フランス 2.1
第6位 日本 1.8
第7位 イタリア 0.9
※ カナダは国連のデータになし

G8加盟国のうち、ダントツで離婚率が高かったのはロシアでした。人口1,000人当たりの離婚件数は4.7で、日本の倍以上となっています。一方、もっとも離婚率が低いのはイタリアでした。情熱的な国というイメージが強いイタリアですが、結婚したら一人のパートナーと最後まで添い遂げる人が多いのかもしれません。

日本はG8加盟国の中で、イタリアに次いで離婚率が低くなっています。フランスやイギリスとほぼ同じくらいで、およそ1,000人に約2人が離婚するという結果です。日本の離婚率は上昇しつつあるとはいっても、世界の中から見ると低めのようです。

■都道府県別に見る「離婚率」

ここまで、日本の離婚率と世界主要国の離婚率を紹介しましたが、国内の地域によって、離婚率に差はあるのでしょうか? 自分が住んでいる場所や出身地の離婚率が高いのか低いのか気になるところですよね? 続いて、都道府県別の人口1000人あたりの離婚率について調べてみました。

1位 沖縄県 2.53
2位 宮崎県 2.10
3位 北海道 2.09
4位 大阪府 2.08
5位 福岡県 1.99
6位 和歌山県 1.97
7位 鹿児島県 1.88
8位 高知県 1.87
9位 熊本県 1.85
10位 東京都 1.84

厚生労働省が発表した「平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況」(※1)を見ると、もっとも離婚率が高い都道府県は沖縄県で、2位は宮崎県、3位は北海道でした。日本の最南端と最北端の都道府県がトップ3に入る、興味深い結果が判明しました。10位までの結果を見てみると、「宮崎」「福岡」「鹿児島」「熊本」と九州地方から4県もランクインしています。

一方、日本でもっとも離婚率が低い都道府県は山形県(1.35)でした。次いで新潟県(1.39)、富山県(1.40)、島根県(1.48)、石川県(1.49)となっています。北陸地方は離婚率が低めで、九州地方は離婚率が高めであることから、離婚率は県民性も関係しているのかもしれません。

■日本における離婚率の推移

「日本の離婚率は年々上昇している」という言葉、聞き覚えのある人もいるのでは? 実際に2014年と2015年では、「1.77」→「1.81」と増加しているようですが、もっと長期で見るとどうなのでしょう? 日本における離婚率の推移を探っていきましょう。

「平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況」(※1)を見ると、統計を始めた昭和22年(1947年)当時の離婚率は1.02。それから1970年くらいまでの20年間は、イタリアの離婚率に匹敵する0.74〜0.99を推移していました。

離婚率が上昇し始めたのは、1970年頃から。1970年に0.93だった離婚率は年々上昇し続け、1983年には1.51までに達します。しかしその後、1990年くらいまで一時的に離婚率は低下。この時期はバブル期にあたり、日本が好景気に沸いていた頃です。景気がいい時期は、夫婦の関係も良好なのでしょうか。そしてバブル崩壊とともに再び離婚率は上昇します。

バブル崩壊後から上昇を続けた離婚率は、2002年には2.30に。しかし、2005年以降は増加どころか減少傾向にあり、2005年(2.08)、2006年(2.04)、2007年(2.02)、2008年(1.99)、2009年(2.01)、2010年(1.99)、2011年(1.87)、2012年(1.87)、2013年(1.84)、2014年(1.77)、2015年(1.81)と推移していることがデータより分かります。

つまり、「日本の離婚率は年々上昇している」というのは過去の事実であり、近年は離婚率が1.70〜1.80台で推移していることから、上昇しているとは言えないでしょう。

■「離婚率」の高い年齢

長年連れ添った夫婦が離婚する「熟年離婚」が増えているようですが、年齢で離婚率にちがいはあるのでしょうか。

厚生労働省 平成 21年度「離婚に関する統計」(※3)の概況を見ると、夫婦ともに、どの年齢も上昇傾向で推移しています。2005年におけるもっとも離婚が多い年齢は男女とも30〜34歳でした(男性は8.18、女性は9.48)。

女性は2000年までは25〜29歳が一番離婚率の高い年齢でしたが、2005年には順位が逆転しています。

男女とも35〜39歳の離婚率が高く、30代は離婚が多い世代であると言えそうです。最近の初婚年齢が20代後半であることから、結婚して10年以内に離婚をしている夫婦が多いと考えられます。

■まとめ

離婚が増えていると言われている日本ですが、実際は日本の離婚率は世界の主要国の中でも低い方であることがわかりました。また、現在は離婚率は落ち着いていること、30代の夫婦や沖縄や九州地方に住んでいる人は、離婚率が高いということなどもデータから読み取れます。とはいえ、離婚はさまざまな要因が絡んでくるもの。離婚の原因や子どもの有無、初婚の年齢などを加味して考えれば、またちがった側面が見えてくるかもしれません。

(松原圭子/フォルサ)

※画像はイメージです

(1)
厚生労働省 平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei15/

(2)
国連 「Demographic Yearbook2013」 Table 25
http://unstats.un.org/unsd/demographic/products/dyb/dyb2013.htm

(3)
厚生労働省 平成 21年度「離婚に関する統計」の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon10/dl/gaikyo.pdf