「トランプ大統領の経済政策によって日本経済は再浮上する」との見方を提示してきた村上氏。もしこの予測が現実のものとなり、円安か株価上昇が進むとなると、気になってくるのが住宅ローンなどにも影響し得る金利や不動産の状況だ。「トランプ相場」の到来を的中させた村上氏は、これについてどう考えるのか? 最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。

住宅ローン金利は急上昇しない

これまでの連載で見てきたとおり、トランプの経済政策は日本経済にプラスの影響をもたらす可能性が高い。しかし、今後景気が上向いてくるとなると、住宅ローンなどを抱えている人は、2017年以降の株高・円安が金利にどう影響するかが気になるかもしれない。今回はこれについて見通しをお伝えしておくことにしよう。

※参考
なぜ「トランポノミクス」が日本経済の追い風になり得るのか?
http://diamond.jp/articles/-/116556

たとえば米国では、トランプ氏当選で株高が起きたのと同時に、10年物国債の金利は約1ヵ月で1.8%前後から2.5%台まで大きく上昇した。経済成長率とインフレ率が今後高まるという見通しが強まったことが大きな要因である。

日本でも2017年度からはインフレ率と経済成長率が高まっていくと予想される以上、このままいけば米国と同様に、長期金利の上昇が起きていくのが自然である。「だとすると、住宅ローン金利も上がってしまうのではないか?」などと心配する人もいるかもしれない。

しかし、ここで指摘しておきたいのは、日銀が2016年9月に、YCC(長短金利操作付き量的・質的金融緩和)、すなわち、長期金利をゼロに誘導する新たな政策フレームを打ち出していることである。この政策は当面続くため、たとえば2017年に景気回復がはじまっても、長期金利は現状と変わらないまま、ほぼゼロ近傍に抑制されて推移するだろう。

※参考
「日銀=手詰まり」論は誤り。注目すべき2政策とは?
http://diamond.jp/articles/-/116547

長期金利が上昇しはじめるとすれば、それは、日銀がこの政策フレームを変更し、10年物国債金利の誘導水準を上昇させるとの思惑が市場内に浮上したときだ。2018年以降は、インフレ率が1%を超えて、2%台に向かって上昇していくと予想される。そうなってくると、日本銀行も長期金利のゼロ誘導政策を縮小し、ある程度の金利上昇を容認するだろう。

ただし当面は、株高・円安が起きても2016年末と同様の、きわめて低い金利水準が保たれると予想される。また、日銀が長期金利をコントロールできる以上、家計や企業経営を過度に圧迫するような急速な上昇は回避される。たとえ住宅ローン金利が上昇するとしても、ごく緩やかなものにとどまるだろう。

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