予想レンジとしては、米ドル円で1ドル=109円-115円、ユーロ円では1ユーロ=115円-123円、ユーロドルが1ユーロ=1.05ドル-1.11ドル、英国ポンド円では1ポンド=134円-142円と見ています。

――4月はユーロが大きな注目点になるのでしょうか?

 最大の懸念材料ともいえるのは、やはりフランス大統領選挙でしょうね。人気ナンバー1の中道・無党派のエマニュエル・マクロン前経済相が、決選投票でルペン国民戦線党首に負けるようなことになれば、EUを支えて来た英国とフランスが離脱することになり、欧州共同体はその長い歴史に幕を閉じて、事実上の解散に追い込まれる可能性があります。

 ユーロ、欧州株ともに、4月は波乱含みの金融マーケットになると覚悟すべきでしょう。4月27日に行われる欧州中央銀行の「ECB理事会」でも、ドラギ総裁がどんな発言をするのか注目しておきたいところです。

 すでにドイツではインフレ率が2%を超えている状態であり、量的緩和の縮小(テーパリング)が始まるのではないかと危惧されています。いよいよEUでも、金融緩和縮小、金利引き下げというシナリオに入りつつある可能性が出てきたことになります。そういう意味では、4月はユーロ市場のボラティリティ(変動幅)が大きくなり、その動向には注目しておきたいものです。

――豪ドル相場の行方は? また個人投資家として4月相場の注意点を教えてください。

 豪ドル円の予想レンジとしては、1豪ドル=83円-87円と見ています。オーストラリア経済に大きな影響を与えそうな原油価格などの資源価格、そして中国経済が落ち着いており、大きな波乱はなさそうです。

 原油価格は1バーレル=47ドル-50ドルのレンジに入りつつあり、このまま落ち着いて安定して行けば、為替相場のボラティリティは少し緩和されるかもしれません。

 4月相場は、トランプ政権も比較的落ち着きつつあり、マーケットも全体的に落ち着いた1カ月になるのではないでしょうか。とは言え、フランスの大統領選挙という大きなリスクもあり油断は大敵です。安易な後追い投資よりも、きちんと分析して投資することが大切です。(文責:モーニングスター)