今日は財布いいかな。

都心から電車と車で2時間半。群馬の片田舎に住む僕でさえそう思うことが多々あります。都内に比べると利用できる店舗は少なめですが、コンビニにおサイフ無しで出かけられるのが便利です。僕の行動圏内では他にも使える店舗はいくつかありますし、無意識にそれが使えるお店を選んでいるというのもあるのかもしれません。

そのくらい便利なのです。サイフを持っている時ですら、あえて僕はそっちを選んじゃいますね。だってポケットから取り出してかざすだけでいいのです。Androidやガラケーは遥か以前からこんなにも怠惰な…いや、スマートな生活を送れていたのか!と驚きが隠せませんでした。

そうです。「Apple Pay」です。

iPhone 7が発売されてからの半年。僕の日常を取り巻く買い物や支払いシーンは、物理的な財布からiPhoneを通じた電子決済へとSwitchしたのです。


Apple Payってそもそも何?


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image: Apple


Apple Payは、2016年10月25日に国内でスタートしたAppleの決済サービス。

iPhone 7シリーズかApple Watch Series 2なら店舗での決済が行なえますし、Suicaが使える駅の自動改札もかざすだけで通れます。また、アプリやWebサイトでの支払いにも利用できるんです。

主な利用シーンはやはり店舗や改札での利用だと思うので、それらをまとめて簡単に言えば、iPhoneやApple Watchをおサイフケータイのように使えるということです。

でもiPhone 7を持っていながらもApple Payがなんだかわからなくて使っていない!という方も多いと思いますし、僕の周りでも実際にチラホラ見かけます。でも、そういった方々に向けて、ちょっとおせっかいかもしれませんが、Apple Payってこんなにも便利なんだぜ!と紹介したいと思ってるんです。


Apple Payはどうやって始めるの?


Apple Payを始めるには、対応したiPhoneやApple WatchにクレジットカードやSuicaを登録することで利用できます。iPhoneへの登録は「Wallet」アプリから行ないます。


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クレジットカードを登録する際は、カード番号やセキュリティコードの入力を行ないます。僕の場合は、すでにApple IDに紐付かれているクレジットカードがあったので、セキュリティコードを入力するだけで「Wallet」アプリに登録できました。なお、Walletアプリには合計8枚までのカードを登録できます。


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image: 小暮ひさのり


Suicaを登録する場合はいくつかの方法があります。すでに発行済みの物理的なカードのSuicaがあれば、iPhoneにSuicaをかざして情報を移動できます。この際は完全に「移動」となり、旧Suicaカードは利用できなくなるのでご注意ください。カードデザインも引き継がれることは無く、東京駅開業100周年記念Suicaも例外なくペンギンになります。

また、Suicaを持っていないという人は、「Suica」アプリ(正式名は「Suicaチャージ」)上から新規発行もできますよ。


Apple Payはどこで使えるの?


実は使える場所ってたくさんあるんですよ!

まず交通機関。Suica対応の改札はピッとiPhoneやApple Watchをかざすだけで改札を抜けられます。タッチ&ゴー! また、ドラッグストアやコンビニでも使えますし、イオン、ビックカメラ、ソフマップ、UNIQLO、タクシーの料金支払いにも利用できますよ。


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image: Apple


店舗だけじゃありません。アプリ内の決済やショッピングサイトの支払いにもApple Payが選べます。現在対応サイトは少ないですけど「じゃらん」とか「TOHOシネマズ」の支払いに利用できます。


Apple Payで支払うときはどうするの?(店舗編)


実は「Apple Payで払います!」じゃダメ。

日本国内のApple Payを使った店舗決済は、Apple Payと名はついていますが、登録したクレジットカードが連携している電子マネーサービス、「iD」か「QUICPay」、または「Suica」を利用して支払うことになります。

Apple Payに登録できるクレジットカードはiDかQUICPayのどちらかが連携されていて、それを使ってApple Payでの店舗決済をしているんです。Apple Payに登録したクレジットカードがどちらのサービスに対応しているかはWalletアプリからカードを見れば確認できますよ。


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image: Apple


ですので、Apple Payで店舗決済を行なうときは、まずレジの方に、iD、QUICPay、Suicaのいずれかで支払うことを伝えましょう。iPhone 7の場合はTouch IDに指を載せたままiPhoneをリーダーにかざせば決済完了。Apple Watchではサイドボタンをダブルクリックしてかざしましょう。


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image: K.Yoshioka


なお、Walletアプリに複数のクレジットカードを登録した場合は、どれかを「メインカード」に設定します。これにより決済時はそのカードで素早く決済ができるので、日常的に使うものをメインカードに設定しておくと良いですね。違うカードで払いたいという場合は、Walletアプリから利用するカードをその時々で切り替えましょう。

改札を抜けるときは、Suicaを「エクスプレスカード」として設定しておけば、iPhoneやApple WatchをかざすだけでOKです。指紋認証要らずでカードのSuicaと同じ感覚でタッチ&ゴー!ですね

なお、エクスプレスカードの設定や、メインで使うクレジットカードの設定などは「設定」→「WalletとApple Pay」から変更できます。


Suicaへのチャージはどうするの?


Apple Payで管理するSuicaへのチャージは、「Wallet」アプリや「Suica」アプリから金額を指定して行ないます。プラスチックのSuicaカードは券売機などでチャージしますが、Apple Payなら手元のiPhoneを操作するだけでチャージすることができますよ。

ただし、VISAブランドのクレジットカードは「Wallet」アプリからApple Payでチャージできないので、「Suica」アプリを利用します。SuicaアプリにVISAカードを登録し、入金する金額を選んだら「クレジットカード」を選べばチャージできますよ。

そして気になるのは、便利なオートチャージは使えるか?ですが、これは登録しているクレジットカードによりますが使用可能です。現状ですと、VIEWカードだけがオートチャージに対応していて、改札機にタッチして入場するだけでオートチャージしてくれます。Suica残金を気にせずに乗り降りできますよ。


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ちなみに、VIEWカードのオートチャージは「Suica」アプリを利用するので、VIEWカードのブランドがVISAでもオートチャージには対応しています。


Apple Payで支払うときはどうするの?(アプリ・ネット編)


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image: Apple


Apple Payはアプリ内の決算や、ネット通販でも利用できます(対応しているサービスは少ないですが今後に期待)。この場合はiPhone 7やApple Watch Series 2だけでなく、iPhone 6やiPhone SEやiPadなどでもApple Payが使用できます。詳しい対応は以下表をどうぞ。


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店舗での決済とは違い、こちらはiD、QUICPay、Suicaといった電子マネーサービスを介さずに決済します。アプリやWeb上の画面で支払い方法にApple Payを選び、指紋認証をするだけ。MacでSafariを利用している場合は、iPhone上に支払いを行なう旨のメッセージが表示されるので、iPhoneで指紋を認証。最新のMacBook ProでTouch ID搭載モデルは、そちらに指を乗せればOKです。


Apple Payのセキュリティはどんなしくみ?


Appleのサイトによれば、2重3重にセキュリティ対策、プライバシー保護対策が施されています。例えば、Apple Pay登録時にカードには独自の番号が割り当てられ、Appleが利用者のカード情報を加盟店と共有することはありませんし、決済の情報から個人の特定もできないとされています。

アプリやネットでの支払いに関しても、Apple Payは暗号化された状態で取引情報を受信。開発者固有のキーを使って暗号化し直した上で、開発者や決済代行業者に送信しています。Apple側からも機器からも、クレジットカード番号がアプリやWebサイトに送信されることはありません。実際のクレジットカードを持ち歩くよりも、ある意味セキュアで安全度の高い支払い手段であるような気がします。

これらセキュリティに関しての取り組みは、「日本の Apple Pay のセキュリティとプライバシーの概要」にて詳しく解説されています。もし不安があればそちらも一読しておくとより安心できるはずですよ。


そんなこと言ってもiPhone落としたらどうするのよ!

Apple Payは基本的に指紋認証を行わないと決済できませんので、指も一緒に落とさない限りは安全です。

また、「iPhoneを探す」で紛失モードにすると、即座にApple Payを一時的に停止できます。遠隔消去すれば、機器から登録情報を全て抹消することもできますし、iCloudにログインすれば、アカウントに登録されているカードを削除することもできます。カード発行会社に連絡して、カードを利用停止したり、Apple Payから削除してもらうこともOK。

なお、iCloudからサインアウトすると、Apple Payに登録されているカード類の情報は全て消えます。登録し直しになるので、注意しましょう。アカウントには登録情報が残っているので、Suicaのチャージ金額などはちゃんと戻ってくるみたい。


やっぱ気になるよね。Apple PayはVISAのカードが使えない!?


これは半分正解で半分不正解。まずブランドとしてのVISAカードがApple Payの一部サービスで利用できないというのは本当です。前述したWalletアプリでのSuicaへのチャージや、アプリ・ネット決算がそれ。ただSuicaは「Suica」アプリからチャージできるのでApple Payで払えないからといって不自由することはあまり無さそうです。

そして残りの半分、店舗決済はVISAブランドでもiDやQUICPayが利用できるカードならApple Payでの利用は可能です。


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image: Apple


僕、かつてApple Payに非対応だったジャックスのリーダーズカードを利用していました、VISAで。カード自体にiDもQUICPay付いていなかったので「これは詰んだわ…」と、わざわざMasterCardでQUICPay付きのオリコカードを作り直したという過去があるのですが、現在はジャックスも無事にApple Pay対応の仲間入りしています。その他利用できるカードはこちらをどうぞ。現在では国内発行のクレジットカードの86%がApple Payに対応していますよ。

どうでしょう? 自分の持っているカードはありましたか? どのカードが一番おトクなの?と探求を始めると利用ケースによってさまざまな選択肢が生まれて問題が複雑化するので、まずは自分の使っているカードを登録して、気軽に試してみましょ。


せっかくiPhone 7ならApple Pay、使ってみませんか?


さて、長々と「Apple Payってこんなサービス!」をお伝えしました。確かに利用できる決済サービスの種類がいくつかあるので、しくみはやや複雑なのですが、ざっくりとまとめると以下のようなサービスです。

Apple Payとは
1.クレジットカードやSuicaをiPhoneに登録して使う決済サービス
2.使える店舗はかなり多い。「iD」「QUICPay」「Suica」のどれかで決済する
3.店舗や改札で使うなら、iPhone 7かApple Watch Series2が必要
4.ネットショッピングやアプリ決済ならiPhone 6以降、iPad(Air2以降・mini3以降・Pro)、Macでも利用できる
5.指紋認証が必要だから他人に使えないし、万が一iPhoneを落としても遠隔で止められる
6.VISAはネット決済に制限あり。でも店舗でおサイフケータイとしてなら問題なく使える
7.財布持ち歩かなくなるよ!

といったところ。最終的には最初に言ったとおり、まずは使い始めてみて、おサイフを持ち歩かなくても済むことの気軽さを是非味わって欲しいんです。単純に持ち歩くものが一つ減りますし、無駄な小銭も増えません。iPhoneという最も身近なデバイスが、今日からあなたのおサイフの一部を担ってくれるのです。

日本はガラケーの頃から電子マネー決済が行なわれているため、支払いできる土壌も豊かに育っています。おそらく自分が思っているよりも、はるか多くの店舗でApple Pay(iD、QUICPay、Suica)が利用できるはずですよ。

さぁ、春です。おサイフ置いてiPhoneだけで出かけてみません?


image: Apple, K.Yoshioka, 小暮ひさのり
source: Apple, JR東日本
reference: Apple

(小暮ひさのり)