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【映画興収レポート/3月】
歌押し!が奏功して1位ヒットとなった『モアナ』

3月公開作の1位は『モアナと伝説の海』。ヒットの原動力が歌。ディズニーアニメーションの大きな魅力が歌だが、『アナと雪の女王』以降、『ベイマックス』『ズートピア』で流れる歌は主題歌のみ。本作は『アナ雪』以来の、劇中に数々の歌が流れる「ミュージカル・アニメーション」スタイルだ。モアナ役の屋比久知奈は大規模なオーディションで選ばれ、主題歌『どこまでも〜How Far I’ll Go〜』などを劇中で熱唱。モアナと一緒に冒険の旅に出る伝説の英雄マウイを尾上松也、モアナを見守るタラおばあちゃんを夏木マリが演じ、それぞれ歌を披露している。

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2月9日に監督のロン・クレメンツ&ジョン・マスカーが来日した際は屋比久が会見場で『どこまでも』を熱唱。3月1日のプレミアイベントでは屋比久、夏木、尾上がそれぞれ担当した楽曲を歌った。そして公開後の3月14日に行われた大ヒット記念イベントでは、日本版エンドソングを担当した歌手の加藤ミリヤ、吹き替え版声優を務めたミュージシャンのROLLYが出席。加藤は『どこまでも How Far I'll Go』、ROLLYは挿入歌『シャイニー』を歌唱。映画の売りである「歌押し」の宣伝が奏功したようだ。

2位は『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』。南極に来たのび太たちが、氷の下に閉ざされた巨大な都市遺跡にたどり着き、大冒険を繰り広げる。完成披露試写会では、ゲスト声優を務めたフィギュアスケーターの織田信成、お笑いコンビ「サバンナ」の高橋茂雄、八木真澄が登壇。公開初日の舞台挨拶ではこの3人に加え、浅田舞が参加。話題作りに一役買った。例年通りの大ヒットで、公開後23日間で興収26.5億円。前作(最終興収41.2億円)を少し上回るペースで興収を伸ばしている。

3位は『SING/シング』。『モアナ』同様、日本語吹き替え版声優をフル稼働させた宣伝を展開した。

まず2月16日に行われた日本語吹き替え版の完成報告会見では、「ウッチャンナンチャン」の内村光良、長澤まさみ、「トレンディエンジェル」の斎藤司、大地真央、山寺宏一、坂本真綾、宮野真守の7人が出席。3月8日のジャパンプレミアでは長澤、坂本を除く5人に加え、「スキマスイッチ」の大橋卓弥、木村昴、重本ことり、佐倉綾音、河口恭吾が参加。上映終了後に斎藤、大橋、山寺が劇中曲を披露した。そして3月18日の公開舞台挨拶では、完成報告会見の7人に大橋が加わった。豪華キャストのイベント登壇は注目度アップに貢献した。

歌を含めて全編の吹き替え版が許可されたのは日本だけ。吹き替え版も大ヒットに一役買っている。(文:相良智弘/フリーライター)

[3月公開作ランキング]
1位『モアナと伝説の海』26.7億円
2位『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』26.5億円
3位『SING/シング』18.9億円
(3月26日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。