南條史生(なんじょうふみお)/国際交流基金などを経て、森美術館館長就任。ヴェネチア・ビエンナーレはじめ、数々の国際展のコミッショナーやディレクターを歴任。最近では、茨城県北芸術祭(2016年)、ホノルル・ビエンナーレ(2017年)など。著書に『アートを生きる』(角川書店)ほか。 Photo by Nawa Makiko

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『週刊ダイヤモンド』4月1日号の第一特集は「美術とおカネ アートの裏側全部見せます。」。特集では、お金の流れから作家の生活、歴史から鑑賞術まで全てを網羅した。ここでは、アートが好きな経営者や学者、画家や写真家など特集で取材した“美の達人”たちのインタビューをお届けしたい。今回は、森美術館館長の南條史生氏だ。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 森川幹人)

――南條さんは海外の芸術祭でも活躍されていますが、日本の美術をめぐる状況をどのように考えていますか?

 美術は玉虫色だと言えます。学者から見れば研究対象だし、画商から見れば商品です。

 キュレーターはビジネスのマネージメントも、美術作品のマーケットも知っていないといけません。美術は、地域活性化や外国人観光客の誘致にも大切ですし、クリエイターのプラットホームにもなるなど、社会において重要な役割を果たしています。

 ところが、文部科学省が定義する現行の博物館法では、博物館・美術館は社会教育施設と位置付けられ、作品の収集、保管、展示、調査研究、教育が主な目的とされ、社会との接点という視点がまだまだ弱い。まずは博物館法変えていく必要があるのではと思っています。

 美術館経営は企業経営的な視点が必要です。集客や顧客サービスの視点では、レストランやショップなどのサービスにも知恵を絞らないといけません。

 行政はその意識が欠けているから、アクセスが悪い場所に美術館を作ったりしてしまう。美術館を作る目的が公共投資の受け皿になってしまっているのではないでしょうか。考え方が箱物主導なので、ミッションやビジョンが曖昧な美術館ができています。そんな状況に対して、私たち市民が声を上げていかないと、アートは育ちません。

――そんななか、森美術館はどのような目的を持って設立されたのですか?

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