中国不動産協会がまとめたデータによると、2017年3月の北京市の不動産価格は17カ月連続での前月比上昇となり、文教地区にある物件が特に人気を集めたという。

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中国不動産協会がまとめたデータによると、2017年3月の北京市の不動産価格は17カ月連続での前月比上昇となり、文教地区(有名校などが密集しているエリア)にある物件が特に人気を集めたという。不動産価格の高まりは、一流大学を出て社会のメーンストリームに躍り出たエリートたちでも受け入れが難しく、これが中国中産階級全体の悩みになっている。新華網が伝えた。

不動産は単に住む場所というだけでなく、中国の家庭にとって最も重要な金融資産であり、そのために奮闘努力すべき成功・失敗の指標ともみなされている。西南財経大学中国家庭金融調査・研究センターの16年の報告では、中国の世帯の平均資産額は11年から15年にかけて複合年間成長率が8.8%に達し、16年には103万4000元(1元は約16.1円)になることが予想される。全国世帯の投資に回せる資産の規模は147兆5000億元に上る。世帯資産の配置の中で不動産は常に無敵の位置におり、占める割合は13年は62.3%、15年は65.3%、16年は約70%だった。

教育資源の不均等などで競争が激化する中、よい学校に入学するなど競争資格を手に入れようとすれば、より多くの資本が必要になる。文教地区で不動産を購入するのは階層を上に上るための入場券だ。文教地区の物件に人気があるのは、よい学歴がぜいたく品から必需品に変わり、親たちがそのための出費を惜しまなくなったことに原因がある。

北京の文教地区の物件が人気を集めるのに比べ、日本の東京には文教地区の物件という概念が基本的にそれほどなく、まるで氷と火のように異なる。それではミセス・ワタナベ(主婦などを中心とした日本の個人投資家のこと)は子どもたちによい成績を期待しないのだろうか。明らかにそうではない。

大まかに言って、日本の小中学校の教育には公立と私立の2コースがあり、公立学校は資源が平均的で、ハードルが低く、私立学校は独立性が強く、よい私立学校は高い要求を出すが、それでも非常に人気がある。公立学校の諸費用は世帯の年収によって金額が決まり、同じ地域の学校でも高所得世帯は多く納入し、低所得世帯の納入額は少ないが、子どもたちは同質の教育を受け、大都市と地方都市の間で教育水準に大きな差はない。

重要なのは、日本に(中国のような)戸籍の概念がないということだ。ある場所に住みさえすれば、その地域の福祉サービスが享受でき、学校に通うこともできる。このようなわけで、日本には文教エリアの不動産という概念がそれほどない。送り迎えなどを考えるなら、よい小学校の近くに住むとか不動産を購入するとかいったことが必要にはなる。

不動産価格の高まりは、とりわけ文教地区の不動産価格の高まりは、物件そのものにポイントがあるのではなく、分配という側面にこそポイントがある。これには教育資源の分布の不均等、ハードルの高い戸籍制度が含まれる。文教地区の不動産に人気があるのは、ある側面から未来の社会の流動性低下に対する人々の潜在的な懸念を物語るともいえる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)