返信強要はストーカー行為になる?SNSきっかけのストーカーを防ぐ方法とは?

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【相談者:20代女性】
私は、10代の時から芸能活動をしています。
それほど有名ではないのですが、それなりに応援してくれているファンの人もいる状況です。
なので、小金井のストーカー殺人未遂事件が他人事とは思えません。

今、SNSをやっていてファンの人たちもフォローしてくれており、その中でしつこく返信を迫ってくる人がいて不安を覚えています。
事件のあと、ストーカー規制法が厳しくなったという話も聞きましたが、どのように変わったのでしょうか?
SNSの返信をしてほしいと言われている程度でも、警察に相談することは出来ますか?

●法改正に伴いSNSでのストーカー被害も相談出来ます。

ご相談ありがとうございます。
アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。

小岩井のあまりに残酷な事件に胸を痛めた方も多いのではないでしょうか。
SNSにより顔の知らない方との交流が発展する一方、ストーカーのような被害に遭う方も増えています。

事件に巻き込まれない、加害者にならない、知らない間に加害者に加担するなどしないために、今一度ストーカーに対する規制を知っておくことも大切です。

●改正されたストーカー規制法について

まず、厳罰化と非親告罪化です。
ストーカー行為をした場合、改正前は、法定刑は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」・被害者が告訴をしないと起訴できない(親告罪)、とされていましたが、改正後は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」へと刑が重くなるとともに、告訴がなくても起訴ができる (非親告罪)ようになりました。

また、禁止命令の仕組みも変更されましたし、ストーカーするおそれがあることを知りながら、被害者の個人情報を提供することも禁止されました。

●SNSで返信を迫る行為はストーカー?

しかし、一番大きな改正は、ストーカー行為の拡大 です。

ストーカー規制法では、「法律上のストーカー行為」は、法律で定義がされています。
しかし、特に中高生を初めとした若年層で深刻となっていた“ネットストーカー”は、法律上ストーカーに含まれておらず、早急な改正が求められていました。

小岩井ストーカー殺人未遂事件でも、事件発生前、加害者はツイッターに執拗な書き込みをしていましたが、ストーカー対象外なこともあり、未然に事件を防ぐことができませんでした。

同事件の反省から、今回の改正では、やっと、ストーカーにSNSなど電子通信を使ったつきまといも含むこととし、SNSやブログ等への連続書き込みやメッセージの連続送信等も規制の対象になりました。

拒まれたにもかかわらず、SNSで執拗に書き込みやメッセージ送信をするとストーカー行為になります 。
また、義務がない返信を迫る 行為もストーカーに該当しえます。

●警察に相談するとどのように動いてくれるの?

ストーカー行為の被害に遭った場合、申出をすれば警察署長等は、加害者に対して、ストーカー行為するなと警告できます。

加害者が警告に従わず、ストーカー行為を繰り返すと、禁止命令を出すことができ、禁止命令に従わずにストーカ行為をすると、通常のストーカー行為に対するものよりも重い処罰 (2年以下の懲役又は200万円以下の罰金)を受けます。
さらに、危険な場合には、事前の警告をせずに禁止命令を出すこともできるようになり、より迅速な対応が取れる ようにもなりました。
 
警察では、被害の相談のほか、被害を防止するための教示や防犯ブザーの貸出などの援助も行っています。
警告を受けるとストーカー行為が止まることも少なくありませんが、被害を拡大させないためには、自己防衛が何より大切 です。

一人で不安を抱え込んでは絶対ダメ!
信頼できる家族や周りの信頼できる人、最寄りの警察署や弁護士等の専門家に、迷わずすぐに相談しましょう。

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また、周りにストーカー行為に悩んでいる方がいるなら、すぐに相談にいくよう勧めて下さいね。
知らずにストーカー加害者に加担することもないよう、個人情報の扱いは厳重にしましょう。

●ライター/正木裕美(弁護士)