公式サイト「辻元清美WEB」より

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 あらためて、ネトウヨがいかにフェイクニュースの拡散者になっているかが露呈した。先日、本サイトでは、民進党の辻元清美議員が「塚本幼稚園に侵入した」「森友学園の小学校建設現場に作業員をスパイとして送り込んでいた」というネット上の流言を「ネトウヨの妄想」として取り上げたが、それらが明確な「デマ」であることが立て続けに「立証」された。

 まず、塚本幼稚園に辻元議員が侵入したというデマだが、その根拠となっていたのは塚本幼稚園の副園長である籠池泰典理事長夫人が安倍昭恵夫人にあてたメールだった。だが、籠池夫人は昨日、菅野完氏の取材に応じ、菅野氏はその模様をツイキャスに公開。籠池夫人によると、塚本幼稚園に勤める次女が「そう言った」だけであり、「事実を確認したわけではない」「私は見ていない」と語った。その次女も本日、菅野氏の取材に対し「見ていない」「思い込みだった」と話した。つまり、何の証拠もない話だったのだ。

 さらに、昨日22時より放送された『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)では、なんと辻元議員が送り込んだスパイとされていた作業員にインタビュー。この作業員はマスコミに「ゴミの混じった土を敷地内に埋めた」と証言していた人物で、やはり籠池夫人が昭恵夫人宛てのメールのなかで〈嘘の証言した男は辻元と仲良しの関西生コンの人間でしたさしむけたようです〉と主張していた。

 だが、この作業員は荻上氏の取材に対し、汚染土の埋め戻しをマスコミに話したのは「行った行為というのは非常によろしくないであろうという判断」からで、「告発じゃないですけど、告白というかたちでさせていただいた」とコメント。「辻元さんの工作員というか、そういったかたちで現場の作業に入ったこともございませんし、辻元さんとの面識もございません」と明確に辻元議員との関係を否定し、最後には「安倍さん、総理大臣、日本の総理大臣ですよね、一生懸命頑張っていただいているのも、私自身は安倍さんをそういう部分では応援しておりますし。これ放送できるかはどうか別として、辻元さんは正直言って、大嫌いですし」と話した。

 また、籠池夫人のメールの記述から、ネット上でネトウヨは「連帯ユニオン関西地区生コン支部と辻元議員が深い関係であることからこの作業員を現場に送り込んだ」としてきたが、この作業員は「私自身がやっているのは生コン会社ではございませんので、逆に私が生コンのそういったその連合、あの、組合なのか何かわからないですけれども、逆に入らせていただきたいと言ったところで、まったく入れる余地もないと思いますし」と証言。そもそも氏の会社は大阪や兵庫の会社でもないといい、「まったく関わり合いがないですね」とこちらの噂も否定した。

 ようするに、必死になってネトウヨが拡散し続けていた辻元議員を貶める話は、ものの見事に「デマ」でしかなかったのだ。

 前回の記事でも指摘したように、こうしたデマを平気で垂れ流すのはネトウヨの常套手段だ。何度もターゲットとされ、デマに晒されてきた辻元議員は気の毒にも程があるが、しかし、今回の問題は、さらに大きいものだ。

 というのも、そもそも何の根拠もないこの流言を「疑惑」と称し産経新聞やフジテレビの番組が紹介し、そして、総理大臣たる安倍首相があろうことか国会で取り上げたからだ。

 産経新聞は3月28日に「民進・辻元清美氏に新たな「3つの疑惑」 民進党「拡散やめて」メディアに忖度要求」というタイトルで記事化。前述した2つのデマにくわえ、やはりネット上でもち上がっていた、大阪府豊中市の野田中央公園が国との契約金額が約14億2000万円だったのに国庫補助金を受けて最終的に市の負担が約2000万円におさまっていたという問題を取り上げ、国庫補助金が決まった後に辻元議員が国交副大臣を務めていたことを指摘していた。

 だが、この問題を「疑惑」と呼ぶのは無理がありすぎるだろう。補助金が予算化されたのは麻生内閣時代であって、民主党は引き継いだだけにすぎない。だいたい、公園は公共用地であり自治体の取引であって、森友問題のように私的な事業ではない。この件に辻元議員が絡んでいたとして、いったい誰に「便宜を図った」ことになるのか。むしろ、安倍政権や維新の会が森友問題で窮地に立たされたことから、民主党政権時の隙を突こうと当時の国有地売却の事例を無理やり引っ張ってきて「疑惑」と言い出しただけだろう。

 そんなものを、腐っても大手紙に数えられる産経が何の取材もせずにネットの情報をもとに記事にしたことは、いわば産経がフェイクニュースを扱うネトウヨまとめサイト並みであることを自ら宣言したようなものだ。実際、荻上氏のインタビューに応じた作業員の男性は、28日に産経の記者と会い、辻元議員とは面識もないことなどを反論したと話していたが、30日16時現在、産経新聞およびWeb版の産経ニュースにこの件についてのお詫びなどの記事は出ていない。

 さらに、同じ産経グループのフジテレビは、『Mr.サンデー』『とくダネ!』でこのデマを「疑惑」として取り上げており、作業員の男性はこれらの番組にも抗議を行ったという。じつは男性は同局の『新報道2001』の取材を受けて事実関係を述べており、にもかかわらず他番組でデマ報道をされてしまったというのだ。この件については、『Mr.サンデー』のプロデューサーより連絡があり、「『申し訳なかったです』という一言もいただけた」と言う。

 しかし、このデマを電波に乗せて解説していたのは、安倍応援団の御用ジャーナリスト・山口敬之である。山口は『とくダネ!』で「昭恵さんは100万円渡していませんという悪魔の証明に与党側は苦労してるところなんだけど、今度は野党側の辻元さんはそういうことをしてないという証明しなきゃいけないんですね」と話し、辻元議員へのデマを森友問題と同列に扱い、問題を矮小化しようと必死だった。

 そして、このデマを山口が懸命にテレビを通じて拡散しようとしたのは、無論、安倍首相の意向を汲んだからだ。山口は辻元議員の「疑惑」によって「(自民党は)カードを得た」などと語っていたが、実際に安倍首相は国会で昭恵夫人の100万円寄付問題を民進党議員に追及された際、「御党の辻元さんにも同じことが起こっているではないですか」などと言い、強気な口調でこう述べていた。

「辻元議員、辻元議員はですね、メールのなかに書かれていたことはですね、きょう産経新聞に『3つの疑惑』が出ていましたね。これ一緒にするなとおっしゃっていますが、これをそんなことはなかったと辻元議員は否定しているわけでありまして、それを証明しないといけないということになりますが」

 裏付け調査もせず、デマを事実であるかのように取り上げ、国会で追及材料にする──これは2006年のライブドア事件の際に民主党が捏造されたメールをもとに自民党を追及した「偽メール事件」とまったく同じではないか。

 偽メール事件の際、官房長官だった安倍氏はこう述べていた。

「『メールは全く偽物でした。すみません』と潔く謝り、疑惑を挙げた根本が崩れているわけだから、(それ以外の疑惑も)きれいさっぱり全部間違ってました、と言うべきだ。それが責任を取る第一歩ではないか」(読売新聞06年2月28日)

 偽メール事件によって民主党は執行部が総退陣に追い込まれたが、よりにもよって一国の総理大臣がデマを国会で流布した、その意味は偽メール事件よりずっと重い。しかも、このデマを流すことで、安倍首相は手紙やFAXといった物証によって昭恵夫人の土地取引への関与が深まっている事実を掻き消そうとしていたのだ。

 もはや、デマ情報で国民を欺こうとするこの男に、国を任せていていいわけがないだろう。自身の宣言通り、即刻「総理も議員も辞職」していただきたい。
(編集部)