オンコリスバイオファーマは、3月29日の取締役会にて、ジカ熱などの新興感染症ワクチン開発を手がける米バイオ企業プレシジョン社との資本提携を決定。医薬品事業においてさらなるビジネスチャンスの拡大を図ることを発表した。

 提携先のプレシジョン社は、ワシントン大学医学部のD.T.キュリエル教授の遺伝子治療を実用化するために設立された会社。教授が開発した新興感染症ワクチンについての知的財産の独占権を保有している。同社が開発しているのは、改変型アデノウイルスベクターを用いたワクチンだ。ベクターとは遺伝子組み換え操作において様々な特徴を付加する媒体を指す。同社のベクターには、樹状細胞を標的とすることで、より免疫を高めるという特徴があり、通常の遺伝子操作とは一線を画す。

 プレシジョン社が承認・発売を目指す開発品の中でも、ジカウイルスのワクチンは、米国医学研究の拠点機関とされる米国立衛生研究所等の助成金対象とされている。ジカウイルスは、胎児の小頭症の原因を招くとされ、世界保健機関(WHO)が流行地域への妊婦の渡航を控えるよう勧告している感染症だ。同社はこのほか、デング熱・西ナイル熱・エボラ熱などの新興感染症のワクチン開発も視野に入れており、世界トップクラスのアデノウイルス改変技術保有企業として研究開発を進めている。

 今回の資本提携においてオンコリスバイオファーマは、1ドル110円換算で5,500万円となる50万ドルを出資し、約14%の議決権を取得する。同社が開発を進めている「遺伝子改変アデノウイルスを用いたがんのウイルス療法」などにない熱帯病ワクチンをラインナップに加えることで、医薬品事業の充実を図る。

 オンコリスバイオファーマは2004年に設立され、医薬品事業及び検査事業を展開している。医薬品事業においては「がんと重症感染症」を対象とした創薬を目指し、検査事業ではウイルスの遺伝子改変技術を用いたサービスを提供する。2013年12月には東証マザーズに上場。2016年にメリルリンチ日本証券を割当先とする新株発行予約権を発行することで最大約20億円の資金を確保し、積極的に研究開発・投資に動いている。