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アイデア1つで世界を変える。UberやAirbnbなど、1つのアイデアからスタートした事業が社会の形を大きく変えてしまうのが、イノベーションの凄さであり、面白さでもあります。

富士通が運営するメディア「あしたのコミュニティーラボ」では、イノベーションを生み出す"学生と社会人の共創プロジェクト"として『あしたラボUNIVERSITY』と称した活動を、2014年秋から実施してきました。学生向けのトークイベントや大学との個別プロジェクトのほか、年に1回全国から募集した学生と富士通社員によるアイデアソンを開催しています。


170331_ashitalab_logo.png過去のアイデアソン/ハッカソンレポート
第1回「あしたのまちHack」予選/関西大会/関東大会/決勝第2回「大ガッコソン!」横浜予選/神戸予選/決勝あらためて振り返ってみると、第1回グランプリの「Monche(Monster知恵袋)」は『ポケモンGO』にも通じるアイデアかもしれません。


第3回となる2017年は「半径3メートルから世界を変えよう」をスローガンにハッカソンを実施。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を中心にしたアイデアを競い合いましたが、その優勝アイデアが成り立っていく様子がまさにベンチャー企業のようで、とても興味深かったのでご紹介します。最初に閃いたアイデアを、どうやってスクラップ&ビルドしていくのか、多くのビジネスパーソンにとって参考になりそうです。

自動ベビーカーのアイデアから発展して障害者向けナビに


最初に、最優秀賞を受賞したアイデアをご紹介します。

最優秀賞「walike(ワライク)」

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受賞チーム:山本新喜劇
視覚障害者など、歩行交通弱者に向けた歩行支援サービス。カメラやGPS、深度センサーなど複数のセンサーを組み合わせたセンシング技術と、振動などでユーザーをナビするリストバンドや靴を組み合わせることで、視覚障害を持つユーザーでも白杖に頼らず歩ける環境づくりを目指すプロジェクト。

アイデア自体に加えて、センサーとレゴブロックを組み合わせた、実際に動くデモを制作することで、現在の技術でどこまで実現できそうかを直感的にプレゼンテーションしたことも高く評価されました。


受賞したアイデアは「視覚障害者のための歩行支援システム」というものですが、このチームが最初に提示したアイデアは、「人が押す必要のない、自動運転で移動するベビーカー/キャリーケース」でした。

混雑した場所や、公共交通網におけるベビーカーの扱いはネット上でもよく話題になりますが、その課題をテクノロジーで解決できるのではないか? というのが出発点です。一方で、視覚障害者も交通弱者であり、「移動が困難な人を支援する」という面では、共通するアイデアではあります。しかし、なぜアイデアのターゲットをここまで大きく変えられたのでしょうか?


アイデアに見切りをつける瞬間


170321_3mhackathon_tamukai.jpgメンター役を務めるタムラカイさんから、「親は子どもを自動ベビーカーに預けたいと思うかどうか、ユーザーの気持ちや体験をなにより大切に考えて」と指摘されたチーム。チーム外の視点を取り入れることで、クリティカルなポイントに気づける。

自動ベビーカーのアイデアを中心に集まったチーム・山本新喜劇は、プロトタイピングを制作した後、1つの課題にぶつかります。それは「子どもを乗せるほど、親がロボットを信じてくれるか?」ということでした。仮に技術面、法律面の課題をクリアできたとしても、ユーザーが我が子を預けるほど自動ベビーカーを信頼してくれるようになるかどうかは、未知数です。

事前に入念なリサーチができれば答えは出せるかもしれませんが、時間の限られたハッカソンではそうも言っていられません。そこで、チームはアイデアソンの他の参加者の中から、子どもを持つ親たちにヒアリングを行い、あらためて心情面をリサーチ。結果、ベビーカーのアイデアはバッサリあきらめることになります。


アイデアを形にすることでアイデア自身を変化させる


170321_3mhackathon_team.jpgチームメンバーは、アイデアを形にするエンジニア、インターフェースなどをデザインするデザイナー、ビジネスを考えるプランナーの各役割を1つ(もしくは複数)担当し、意見交換しつつ作業を進める。

ベビーカーのアイデアを手離したあと、チームはどう方向転換すればいいのか?という提案は、プロトタイプを制作していた、エンジニア役のチームメイトからあったそうです。

自動ベビーカーが動く仕組みとしては、「センサーが障害物や危険を感知」「AIが行動を判断」「ベビーカーを動かす」という流れになるでしょう。チーム内のエンジニアは、そのうち「センサーが障害物や危険を感知」する仕組みにフォーカスして、視覚障害者という新しいターゲットを導き出したそうです。ここから再度アイデアをまとめ上げ、『walike』が完成することになります。

この方向転換は、プロトタイプとしてアイデアを形にしていたことで閃いたものでしょう。頭でひたすら考えるのではなく、手を動かして形にしてみることで、アイデアへフィードバックを送ることができたわけです。

最初から完璧な形のアイデアが出ることはまずありません。まずは、実際に手を触れる形に落とし込んだり、外の意見を取り込んだり、ときに最初のアイデアの一部をあきらめたりすることで、アイデアを育てていったのです。


手作りから始めるIoT

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今回、ハッカソンの会場となった「FUJITSU Knowledge Integration Base PLY」には、3Dプリンタやレーザーカッターといった機器や、プログラムを組み込むための小型コンピュータ(Raspberry Pi)やブロック型の電子タグ(MESH)など、さまざまな機材がそろっています。

今回のハッカソン「半径3メートルから世界を変えよう」はIoTをテーマにしているので、手作りでデバイスを作るチームが数多く見受けられました。頭で考えるだけでなく、手を動かして「体感」を得ることも、アイデアを磨くためには必要なことですね。


ミシンでIoTよだれかけを自作

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チーム:ハッピーターン
まだ言葉を覚えていない乳幼児と、保護者のコミュニケーションを手助けするスマートよだれかけ。空腹や暑さ寒さといった子どもの状態を親に伝えるほか、スマートフォンアプリと連携し、たくさんの子ども・保護者のデータを蓄積することで、子育て経験の浅い保護者をサポートする機能も持たせるとのこと。

最初のアイデアは、子どもを遊ばせる公園の情報や、子育てノウハウを共有するためのSNSでしたが、親同士のコミュニケーションより、わが子とのコミュニケーションを優先する方向にアイデアを変えたそうです。

子どもにセンサーをつけるにあたっていくつかの形を模索した結果、よだれかけにセンター付きBluetoothタグを縫い付け、デバイスのコスト試算をしていたのが印象的でした。

PLYの機材をフル活用

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チーム:正味つり革海賊団
満員電車など、電車移動の多いビジネスパーソンのためのスマートつり革。個人が持ち歩くつり革で、電車の好きな位置に固定できるため、つり革の取り合いが発生しない。また、スマートウォッチのように、ユーザーの生体データを取得できるほか、音楽プレイヤーのリモコンのような機能も備える。

既存のデバイスをベースにプロトタイピングを進めるチームが大半の中、Fabエリアの機材を活用し、オリジナルのデバイスを組み上げていたチームです。レーザーカッターで切り出したボードを組み立てるなど、かなり早期からアイデアを具体化していました。



社内に限定せず、多様な人/組織と関わることで、オープンイノベーションを推し進めている富士通。今までにもさまざまな取り組みがあるので、興味がある人は『あしたのコミュニティーラボ』をチェックしてみてください。

あしたラボUNIVERSITYハッカソン!〜半径3メートルから世界を変えよう〜 レポート

初のハッカソン! イベントダイジェストハッカソンで"勝つ"ための実践講座開校宣言から2年半、あしたラボUNIVERSITYから見えたもの

(文:金本太郎/撮影:藤牧徹也、ライフハッカー編集部)