ビートが大きくうねり、ひとつの生き物のような感覚を引き起こさせたねごと(撮影=AZUSA TAKADA)

 千葉県で結成された4ピースバンドのねごとが3月24日に、東京・Zepp DiverCity Tokyoで『ETERNALBEAT』のツアーファイナル公演をおこなった。アンコール含め全17曲を披露した。最新アルバム『ETERNALBEAT』では、バンドとエレクトロを融合させた独自のサウンドを展開させていたが、それがどんな形で演奏されるのか? 2年ぶりのツアーだっただけに、前とは違うどんなライブを展開してくれるのか?と集まったファンの期待と興奮で、会場は満たされていた。

ビートに身を委ねて楽しく踊ってください!

ねごと(撮影=AZUSA TAKADA)

 打ち込みのビートとシンセが鳴り響くSEに乗せてメンバーが登場すると、場内は歓声で沸いた。そのまま1曲目の「PLANET」が始まる。ギターの沙田瑞紀は、ギターを提げたまま横に置いたシンセでメロディを奏で、ベースの藤咲佑は、ビートに身体を揺らしながら演奏。ドラムの澤村小夜子は、うつむき加減でビートを刻む。そしてボーカルの蒼山幸子は、ダンスするかのように身振り手振りを交えて歌う。

 続けて「DESTINY」「Ribbon」「holy night」とノンストップで演奏した。観客の手拍子で会場が一体となった「DESTINY」。藤咲のうなるようなベースで始まる「Ribbon」は、ギターサウンドとキラキラなシンセが見事にひとつになった。さらに「holy night」ではピコピコとしたシンセとハーモニーが融合。シンセと歌だけのパートや、沙田がメインボーカルのパートでも魅せた。

 最初は、曲の世界観に浸りながらも、どこかどんな風にのって良いのか戸惑っている様子だった観客も、徐々にノリ方のコツを掴んだのか、自由に身体を揺らし始めている。

 蒼山は「こんなに集まってくれてありがとう。アルバムタイトルに“BEAT”と付いているように、みんなもそれぞれのビートに身を委ねて、楽しく踊ってください!」と、客席をうれしそうに見渡した。

 少し怪しげな雰囲気が漂う「school out」では、藤咲もシンセベースを弾き、全員激しく頭を振りながら演奏。80’sっぽさのあるデジタルなサウンドとエモーショナルなボーカルが一つになり、蒼山の“先生”と歌う声も実に色目かしく響いた。ドラムンベースの激しいビートで始まる「cross motion」では、無心でビートを刻んだ澤村。曲中でビートが刻々と変化するのが実に心地良く、場内をレーザービームが彩った。一転、「mellow」では、蒼山はハンドマイクを持って身体を揺らしながら歌う。ビートは少し変則的ながら、タイトルのままメロウなメロディで、冬の暖炉のような温かさがジワジワと伝わった。

 この日は、アルバム『ETERNALBEAT』収録曲を中心に、「シンクロマニカ」や「アシンメトリ」などのヒット曲、東京でやるのは久しぶりという「メルシールー」や「ループ」など、デビューミニアルバム『Hello! “Z”』収録曲も披露した。

ねごとの音楽としてこれからも枠を越えていきたい

ライブのもよう(撮影=AZUSA TAKADA)

 後半に披露した「シグナル」は、ぶ厚いバンドサウンドとトランス風シンセサウンドが絶妙にマッチ。ノイジーなギターと後頭部にビリビリと響く低音、空間を支配するような広がりのあるねごとの音楽。蒼山はハンドマイクでステージを動き周りながら、凛とした存在感を放ち、エモーショナルな歌声を披露した。

 本編ラストには、このツアーのタイトルでもある「ETERNALBEAT」を披露。どこか民族っぽさもありながら、蒼山が手に持つMIDIコントローラーから放たれる打ち込みとバンドサウンドの両面の良さが活かされたサウンドは、ねごとのオリジナリティを確立したといった感じ。会場は、七色のライトとミラーボールの光で彩られ、キラキラとしたクラブ空間へと変貌した。

 最後のMCでは、一人ずつコメントした。「ねごとは変化し続けるバンド。でも変わらない部分もあるから、これからもよろしく」と、藤咲。澤村は「2年前のツアーに来てくれた方は、そのときと全然違っていて驚いたでしょ!」と、いたずらっぽい笑顔。沙田はアルバム制作を振り返り「音楽を作ってる感が、今まででいちばんあった。次はどうなるかわからないけど楽しみ」と、早くも次への意欲を見せる。そして蒼山は、「ジャンルにこだわらず、ねごとの音楽としてこれからも枠を越えていきたい。きっと飽きさせないからね!」と、ファンへメッセージを贈った。

 それぞれがさまざまな音を奏で、入り交じり巧みにグルーヴを生み出していく。ビートの多彩さは、食レポ風に言えば“ビートの宝石箱や”といった雰囲気。打ち込みやシンセを使ってはいるが、決して機械的ではなく、有機的でバンド然とした演奏だ。それぞれの楽器に向き合う姿は、一見別々の作業をやっているかのようにも見えるが、俯瞰で見ると大きなうねりを生んでいて、一つの生き物のよう。その生き物が、ねごとのシンボルのバクの形をしていたかどうかまでは分からないが、それは観客をも巻き込みながらどんどんと大きく成長して、最後には会場全部を飲み込んでゲップした。

 なお、ねごとは4月28日には、東京・渋谷クラブクアトロにてLILI LIMITのツアー『LILI LIMIT presents Entrance』に参加することを発表。6月2日には東京 LIQUIDROOM、翌27日には大阪梅田CLUB QUATTROにて、自身のライブイベント『ねごと presents ETERNALBEAT NIGHT』を開催することを発表した。これらの公演はゲストを迎えての対バン形式となる。

(取材=榑林史章 撮影=AZUSA TAKADA)

ライブのもよう(撮影=AZUSA TAKADA) ライブのもよう(撮影=AZUSA TAKADA) ねごと(撮影=AZUSA TAKADA) ねごと(撮影=AZUSA TAKADA) ねごと(撮影=AZUSA TAKADA)
ねごと(撮影=AZUSA TAKADA) ねごと(撮影=AZUSA TAKADA) ライブのもよう(撮影=AZUSA TAKADA) ライブのもよう(撮影=AZUSA TAKADA) ライブのもよう(撮影=AZUSA TAKADA)

セットリスト

01.PLANET
02.DESTINY
03.Ribbon
04.holy night
05.天使か悪魔か
06.school out
07.シンクロマニカ
08.cross motion
09.mellow
10.メルシールー
11.君の夢
12.シグナル
13.endless
14.アシンメトリ
15.ETERNALBEAT

ENCORE

EN1.ループ
EN2.凛夜

ライブ情報
ねごと presents 「ETERNALBEAT NIGHT」

2017年6月26日(月)恵比寿LIQUIDROOM
問合せ:クリエイティブマン tel.03-3499-6669 (平日12:00-18:00)

2017年6月27日(火)梅田CLUB QUATTRO
問合せ:キョードーインフォメーション:0570-200-888