将来のお金が不安…確定拠出年金って入るとトク?損?【超入門】

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 こんにちは。公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士の鄭英哲です。

 平成29年、個人が税金でトクできる改正の目玉は2つあります。

 一つは、市販の医薬品を買った代金のうち一部が税金として還付される「セルフメディケーション税制」。

 もう一つは「個人型確定拠出年金」、通称「iDeCo=イデコ」です(以下、iDeCo)。

 以前は、会社が確定拠出年金制度を設けている人しか加入できませんでしたが、今年からは、20歳〜60歳までの人なら、原則的に誰でも加入できるようになったのです。

 今回は、このiDeCoのメリットとデメリットを、わかりやすく解説しましょう。

◆老後に受け取るけど、「年金」というより「投資」

 iDeCoとは、毎月お金を積み立てて、自分で選んだ投資信託などを買うもの。つまり、「年金」というよりは、「投資」です。

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●iDeCoのメリットはズバリ2つあります。それは「節税」。

・老後のために投資したら、投資した年に税金が返ってくる。
・将来、年金として受け取る時も税制上のメリットがある。

●iDeCoにはリスクもあります。一番大きいのはコレ。

・投資なので、掛けたお金より減るリスクもある。
 老後にもらえる額は決まっておらず、増えるも減るも自己責任。
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◆iDeCoのメリット:節税効果はスゴい

 まずは、iDeCoの節税メリットがどのようにスゴイかを解説したいと思います(デメリット、注意点は記事後半で解説します)。

 みなさん、平成28年度、最後の給料日に源泉徴収票をもらいましたか。そして、中身はすべて理解できていますでしょうか。

 簡単に、サラリーマンの税金の計算方法を説明します(金額はあくまで概算です)。

⇒【資料】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=678665

 額面年収が460万円の場合、上図のようにいくつかの「控除」によって、課税所得(税金がかかる所得)は211万円。

 これで取られる税金の額は、以下のとおりです。

所得税(年):11万3500円(211万×10%−97,500円)
住民税(年):21万1000円(211万×10%、概算)

 もし「控除」を増やせれば税金も安くできますが、それはなかなか難しい。a.bは額面給与でほぼ決まるし、c.dは少額だし、eは一律38万円と決まっているからです。つまり、今までサラリーマンが自力で税金を減らすテクニックは、あまりなかったのです。

●サラリーマンの節税策としては画期的

 その点、新たなiDeCoはサラリーマンの節税策としてかなりインパクトがあります。

 たとえば、上記の例の人が、iDeCoに加入して毎月2万3000円×12か月=27万6000円を掛けたとします。

 すると、どのぐらい税金が安くなるかというと…

所得税(年):11万3500円→8万5900円
(※課税所得が、211万円→183万4000円となるため)
住民税も安くなります。

 こんなに節税できる制度は、現状ではありません。また、投資の効率としてもかなり良いです。

 iDeCoの掛金は、最低月々5,000円から、1,000円単位で設定でき、途中で増減させることも可能です。

 そして、掛金の上限は職業等によって異なります(たとえば、企業年金に加入していないサラリーマンや専業主婦は上限2万3000円/月)。

◆iDeCoの注意点:得するか損するかは自己責任

●自分で金融商品を選ばなければいけない

 ふだん私たちは国民年金を支払う際、掛金をどの金融商品に何%、といった形で指図することはありません。

 一方で、iDeCoは、掛金をどの金融機関でどの金融商品で運用するかを、自分で選ばなくてはなりません。

 運用商品としては、日本債権、外国債券、日本株式、外国株式などやそれらの組み合わせといった感じです。自分で選ぶ=自己責任だということ。将来、予想以上の大金が返ってくる場合もあるし、節税メリットが吹っ飛んで損する場合もありえます。

●途中解約ができない

 原則として、60歳までは引き出すことができません。

 普通に投資信託などを買う場合は、原則として好きな時期に解約できますが、iDeCoはそれができません。その金融商品の価値が下がっても解約できないのは結構なデメリットです。

●発生する費用も

 加入時手数料として2777円(どの金融機関でも一定)、毎年かかる口座管理手数料(金融機関によって違う)、及び信託報酬(金融商品によって違う)が発生します。掛金が少額の場合、諸手数料の負担割合は大きくなります。

◆結局、iDeCoはおすすめなの?

 結局は、各自のマネー感覚や経済力にもよるでしょう。

・iDeCoが向く人…「リスクがあっても投資に興味がある」という人は、普通に投資するよりも、iDeCoで節税を兼ねるほうがトクな場合が多い。

・iDeCoが向かない人…「お金が減るのは耐えられない」「金融商品の勉強なんかしたくない」という人は、iDeCoより積立預金のほうが心安らかでしょう。

<TEXT/鄭英哲:株式会社アートリエールコンサルティング代表取締役>