毎週木曜19時放送のプレバト(MBS制作)。先週のテーマは「二宮金次郎と桜」。


千原ジュニアは、発想を腐らす


この日、しきりに時間をかけて考えたと強調していた千原ジュニアは、夏井先生から「発想は一番面白い」「頭の中にあるものは素晴らしい」と最大級の賛辞を受けながらも、同時に「手元から離れると腐っていく」との酷評を受けてしまった。

過去には才能アリの評価を受けている。しかし、振れ幅は大きく、才能ナシも幾度となく与えられてしまっている。今回の評価は、最下位、30点、才能ナシだった。

銅像に野球帽主春夢かな

子供たちが遊ぶ際に帽子を銅像に被せ、そのまま忘れて帰ってしまった所を詠んだという句だが、残念ながら全く伝わらない。「野球帽主」という言葉もオリジナリティがありすぎて読みづらい上、「春夢かな」の季語を取って付けた感もすごい。発表された瞬間に、失笑が漏れたのも仕方がない。夏井先生による添削後がこちら。

野球帽かぶされ春夕焼けの銅像

ストーリーがあり詩情があり、夕焼けをバックに帽子を被る像の画もハッキリと浮かぶ。家に帰って男の子はお母さんに叱られているかもしれない。像は次の日の朝までかぶっているかもしれない。想像が膨らむ句になった。「発想は良い」の意味がハッキリとわかる。

発想が良いってなんだろう


千原ジュニアの過去の失敗パターンは、詩情が抜けて風刺になってしまったり、ただの写真を見た感想になってしまったりと多々ある。だが、ほとんどの場合「発想は良い」という評価も同時に受けている。

では、“発想が良い”とはなんだろうか。それは“似ている物が少ない”ということだ。俳句に限らず、絵画でも音楽でもお笑いでも映画でも、似ている物が少ない。あるいはまったく新しいものに出会った時に人は、“発想が良い”という言葉を使うのではないだろうか。

しかし、この発想が良いという言葉にも悪い面はある。似ている物が少ないということは、つまりお手本が少ないということだ。その為、千原ジュニアは自分の発想を上手く活かせず、手元から離して腐らせてしまっているのだ。

もちろん、夏井先生ほどの経験と技術があれば今回の様に“似ている物が少ない”発想も俳句に昇華させることはできる。少しでもその技術を学ぶ事が出来れば、千原ジュニアも特待生への昇格が見えてくるはずだ。

(沢野奈津夫)