商品のイメージ(高島屋の発表資料より)

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 高島屋は27日、ベンチャー企業の日本酒応援団と共に日本酒造りに取り組むことを発表した。「手造り少量生産」と「県産」にこだわった、希少価値の高い日本酒の商品開発を行い、地方の家族経営の酒蔵と共に数年かけて日本全国に酒蔵を増やし、日本酒市場の拡大を目指す。

 日本酒応援団は、日本酒の好きな人を世界中に増やし、日本酒と日本酒醸造に取り組む地域の発展を応援する企業として、2015年に設立。各地で酒米の田植えや収穫、酒造りに取り組んでいる。

 今回の取り組みでは、「県産」の酒米のみを使用した純米大吟醸の無ろ過生原酒にこだわった商品を開発。高島屋限定の商品として、1タンクから限られた本数しか取れない「しずく斗瓶取り」という手法を用いて製造、限定販売する。

 「しずく斗瓶取り」とは、ゆっくりと滴り落ちる日本酒のしずくだけを丁寧に「斗瓶」に集めた伝統的な製法だ。通常のしぼり製法に比べ、1つのタンクから取れる酒の量は1/4ほどと極めて少なく、希少性の高い商品となる。作られた日本酒は、酒蔵のある地域の名前をそのまま銘柄名に使用し、一見するとワインのようなボトルに詰められて販売を行うという。

 商品の販売第一弾として、3月29日に開催する「NIPPON ものがたり」にて、島根県掛合町の竹下本店で醸造する「<KAKEYA>純米大吟醸 しずく斗瓶取り 2017」を販売する。その他、5月以降に埼玉県上尾市の文楽で醸造する「<AGEO>純米大吟醸 しずく斗瓶取り 2017」、石川県能登町の数馬酒造で醸造する「<NOTO>純米大吟醸 しずく斗瓶取り 2017」も順次販売する予定だ。

 日本酒の製造や出荷量、酒類全体からみたシェアは年々大きく低下していると言われている。原因として日本人の高齢化と人口の減少、生活習慣や嗜好の変化、日本酒の他、ビールや焼酎、ワインなど多種多様な種類をたしなむようになったこと、イメージの低下、マーケティング力の弱さなどがあげられている。ただし、高付加価値品である純米酒のシェアは増加している。

 原料米の調達や貯蔵などが包含している問題や、杜氏の高齢化や後継者難といった課題はあるが、実は、海外清酒市場は右肩上がりで伸びているのだ。日本酒の最大の輸出先国である米国では、2001年から全米日本酒歓評会が開催され、歓評会の後には、「ジョイ・オブ・サケ」という一般向けの利き酒会が日米各都市で開催されている。2012年には、ホノルル、ニューヨーク、東京の3都市で開催され、来場者数は合計3,000名に達した。JETROも清酒輸出を強力にバックアップしている。

 高島屋では、バイヤー自らが酒米の田植えや稲刈り、「しずく斗瓶取り」にも参加。地域の人たちと一体となって日本酒造りに取り組んでいく。