by Amy Treasure

週休2日制は非効率」という主張が行われたり、看護師たちの生産が1日6時間労働で向上したという実験結果が出たりと、近年、人々の働き方が見直されています。実際に、世界に大きな影響を与えた人物の中には1日4〜5時間しか働いていなかったという人も数多く存在し、彼らの1日のスケジュールをシリコンバレーのコンサルタントであり起業家&スタンフォード大学の客員研究員でもあるAlex Soojung-Kim Pang氏が示しています。

"Rest" by Alex Soojung-Kim Pang: The daily routines of history's greatest thinkers make the case for a four-hour workday - Quartz

https://qz.com/937592/rest-by-alex-soojung-kim-pang-the-daily-routines-of-historys-greatest-thinkers-make-the-case-for-a-four-hour-workday/

これまで、「仕事を多くこなすには長い時間働く必要がある」という考え方が主流でしたが、過度の働き過ぎは「燃え尽き症候群(バーンアウト)」を引き起こすなど、近年は仕事のあり方が見直される方向にあります。

「燃え尽き症候群」には少なくとも3つのタイプがある - GIGAZINE



Rest: Why You Get More Done When You Work Less(休息:なぜ働くのをやめるほど仕事がこなせるのか)」という本の著者であり、シリコンバレーでコンサルタントとして働くAlex Soojung-Kim Pang氏が「数十年の調査で、働いている時間と生産性の相関関係は非常に少ないということがわかっています」と語っているように、1950年代の調査ですでに、「週25時間働く科学者の生産性は、週5時間しか働かない科学者の生産性と変わらない」「週35時間働く科学者の生産性は、週20時間しか働かない科学者の生産性の半分」という調査結果が示されていました。そして実際に、Tower Paddle Boards Pressなど、近年、労働時間の短縮を導入した会社の中には、ビジネスが成長し従業員の満足度も増えたというところがあるとのこと

歴史的に見ても、世界に影響を及ぼした人物が、働く時間を少なくして生産性を上げていたという例は多々あります。進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンや小説家のチャールズ・ディケンズが1日4〜5時間しか働いていなかったのがいい例で、これらの人物にとっては「計画的な休息時間」が実際の労働時間と同じくらいに重要だったのだとPang氏は語っています。「適切に休むことは生産性に対する税金ではなく投資なのです」とのこと。

ということで、1日4〜5時間しか働かなかった人々の1日スケジュールの一例は以下から。

◆チャールズ・ダーウィン



73年の生涯で19冊の本を書き、「進化論」でそれからの世界に多岐にわたる影響を及ぼしたダーウィンは、1回90分の労働を1日3回に分けて行うという方法を取っていました。まず、朝起きて散歩と朝食を終えたあと、8時から9時半まで働き、その後は手紙を読んだり書いたり、人が読んでくれる小説を聞いたりして過ごします。10時半になると再び仕事に戻り、革命的な実験を飼鳥園や温室で行いました。昼食の後、再び手紙を読み書きする作業を行い、1時間ほどの昼寝をとり、散歩をします。16時頃に研究に戻り、17時半まで働き、その後に家族と夕食を取って1日を終えます。「もし彼が会社員ならば1週間以内に解雇されていたでしょう」とPang氏はコメント。

ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディ



ハーディは20世紀初頭、解析学に大きな影響を及ぼした数学者。ハーディは朝食を取りながらクリケットのスコアをクロース・リーディングすることから1日を始めました。その後、朝9時から13時まで数学に集中し、午後はテニスや長い散歩に時間を当てました。「数学者にとってクリエイティブな仕事をするのは1日4時間が限界だ」と生前のハーディは語っていたとのこと。ハーディと近しかった数学者のジョン・エデンサー・リトルウッドもハーディに同意しており、真剣に仕事に取り組むには極度の集中が必要であり、数学者は1日4時間、多くて5時間の仕事を毎時間ごとに休憩しながら行うことになると語っています。

◆チャールズ・ディケンズ



ディケンズの息子が語ることによると、初期のディケンズは夜型でしたが、次第に規則正しい生活を受け入れていったとのこと。その生活の中でディケンズは朝9時から14時まで昼食休憩を挟みながら黙々と物を書き、1日5時間作業したらその日の仕事を終えていたそうです。

トーマス・マン



ノーベル賞受賞作家であるマンは、朝9時から昼食まで小説を書くためにオフィスに完全に閉じこもりました。そして午後になると、読書したり、手紙を書いたり、散歩にでかけたりします。その後、1時間ほどの昼寝とアフタヌーンティーを挟んで短いエッセイを書いたり編集作業に取り組んでいたそうです。

エドナ・オブライエン



by Andrew Lih

アイルランドの女性作家であるオブライエンも、1日4時間の労働ルーティーンであると語っていました。「朝起きて紅茶を飲んだら部屋にこもって昼食まで一歩も出ません。でも午後には1〜2時間ほど世俗的なものごとに出席するなどして作業をストップさせます。夜は読書をしたり、芝居や映画を見たり、息子と会ったり……。それまでの時間は作業に拘束されているので、夜は絶対に働きません」「そして1年365日ずっとイスに座っているわけでもありません。私はそういうタイプの作家ではないし、そうありたいと思っているから」というのがオブラインエンの言葉です。