素朴な感想は「案外、この人、まともじゃん」であった。鴻池氏の妻に対するオバハン呼ばわりや、教育勅語の園児暗唱や、奇天烈な人らしいという前振りのお陰で、非常識なご仁が出てくるのかと思っていたが、証人喚問に答える態度は落付いていて、「頭が〇〇パー」な人とはとても思えなかった。それどころか嘘を言っているようにも見えなかった。つんのめっているのは自民党質問者である。
視聴率が16%にも達して国民の関心が大きいということだが、何となく証言しっぱなしになるかもしれない雰囲気は忌々しいし虚しい。石原慎太郎の、明らかに脳梗塞を口実にしたすっとぼけもあれっきりである。昔は政治不信につながったが、現代の若者はスマホさえあればわれ関せず、勝手にネットでほざけばストレスが発散できるので、立ち上がろうともしない。野党も「ふり」だけである。
首相夫人の百万円寄付は、明らかに安倍側が嘘をついている。何故なら、渡していないのであれば、夫人同士のメールで、昭恵夫人はもっと躍起に否定するはずだ。「覚えていない」などとのんびりした表現は胡散臭い。だから、野党側の要求する夫人の証人喚問なんか実現するはずがない。うやむやのままだろう。1人、夫人お付きの女性官僚が貧乏くじを引いて飛ばされるだけではないのか。突然出てきたジャーナリストなる人物が表現した「内閣が吹っ飛ぶ」くらいの大砲が、時と共にもみ消されるとすればこの国はもう末期だ。(放送2017年3月23日9時55分〜)

(黄蘭)