察して欲しい…面倒な私たちのために店舗が変わる?

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いまでは珍しくない、タッチパネルタイプの自動販売機。学生の頃に初めて遭遇した私は、その動作や見た目がSF映画のようで無邪気にワクワクしたことを覚えている。

のちに社会人になり、広告関係の仕事で「あのタイプの自動販売機はセンサーがついていて、購入者によって表示するドリンクを変えている」と知りさらに驚いた。どうりで、昔は『カルピス』や『午後の紅茶』が表示されていたのに、いつのまにか『オロナミンC』や「無糖ブラックコーヒー」など渋いチョイスになったわけだ。

一方、チェーン店の商品棚で「いま売れてます!」「店長のおすすめ」というポップを見かけても、いまひとつ納得できない。

そこで手元のスマホで「商品名 口コミ」とすかさず検索する。あるいは、「誰かおすすめの○○知らない?」とSNSに書き込む。

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店員さんに聞けばいいのだが全員が接客のプロではないし、たいてい「あとはお好みですね」と締めくくられて、決定打に欠ける。

そして、タッチパネル式自販機を思い出して「あの機能がどの店にもあったらいいのに」と思ってしまう。

客の動きから「察する」リアルトラッキングツール

たとえば、『ESASY(エサシー)』という、店舗に設置できるトラッキングツールが登場している。

ESASYは顧客の閲覧時間、距離、位置を取得し「関心度」を複合的に評価するツールだ。

商品棚がすべてディスプレイ化したショップは、再生時刻と突き合わせて、コンテンツ単位の視聴率算出が可能。だからポスターやディスプレイがどれだけ売り上げに貢献したのか、ディスプレイが変わることで来店者の興味がどのように変化したのか、といった「リアルABテスト」などが、ESASYでおこなえる。

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私たちはただ商品を選んで、買い、なんなら買わなくても、店頭に立ち寄るだけで店舗に好みを伝えることができる。日本人お得意の「無言のアピール」だ。

なにせ「いつも行く店の店員に“いつもありがとう”と言われたら、もう行かない」というツィートが多くの共感を呼ぶほど、私たちは面倒臭い人間なのだから。

対話できない私たちのための店舗ができるかも

先日あるホテル関係者への取材中、余談で伺った「ホスピタリティが一番高いのは、ラブホテルの経営者」という言葉が印象的だった。

ラブホテルはスタッフと宿泊客が面と向かって会えないため、嫌なことがあっても客はクレームをつけることなく、ただ去るのみで二度と訪れない。

そこで少しでも宿泊客に不都合が発生しないよう、すみずみまで細心の注意を払うのだ。そして、高いホスピタリティが話題になっている宿泊施設などは、辿っていくとラブホテル経営者が運営していることがほとんどだという。

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察してもらった先にあった「これがあなたの欲しいものですよね」という言動は、まるで魔法のようで感動を呼ぶ。(個人的に、ラブホテル経営者の皆さんはカップルを数多く見てきた経験も、ホスピタリティを後押ししている気がする)

運送会社がパンクするほどEC全盛期を迎えつつあるいま、「対話できない私たち」をもっと察してもらうことが、リアル店舗の今後を左右するのかもしれない。

【参考】

株式会社クレスト

※ ESASY v2