おかいつ卒業、だいすけお兄さんへの送辞

写真拡大

今年もまた別れの季節がやってきた。
NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』のだいすけお兄さんの卒業発表以来、別れを惜しむ声が方々から聞かれ、いよいよ今日、その日を迎えた。

歴代最長の9年間、うたのお兄さんを務めていただけあって、かなり幅広い層のママ&パパ&子どもたちに支持されているだいすけお兄さんの卒業は、この春のビッグニュースとなった。子育て中の友人のみならず、子どものいない友人からも、「だいすけお兄さん卒業らしいね」と言われたときには、改めて知名度の高さを思い知らされた。
だいすけお兄さん、たくさんの思い出をありがとう! ――『おかあさんといっしょ』キャスト交代発表
http://mamapicks.jp/archives/52216162.html

一昨年は『いないいないばあっ!』のゆうなちゃんと『みいつけた!』のスイちゃんのダブル卒業、昨年は『おかあさんといっしょ』のたくみお姉さんの卒業&ポコポッテイトの終了に沸いた、Eテレ子ども番組ファンの筆者、今年も例に漏れずだいすけお兄さんの卒業にショックを受けている。


娘が生後半年を過ぎたくらいから「おかいつ」のお世話になっているので、3年半ほど見てきただいすけお兄さん。

さすがに娘は悲しむんじゃないかと思いつつ、いきなり最終日に「今日で終わりだよ」と伝えるのも酷かなと、「だいすけお兄さん、4月になったらもう会えないんだよ」と教えると「つぎは、だれおにいさんなの?」と、予想外のストレートな質問が返ってきた。

あれ……そんなに驚かないの?だいすけお兄さんがいいって言わないの? いまだに「たくみおねえさんのがみたい」「ゆうなちゃんのがみたい」と過去の録画を見たがるくせに? それ以降も、「よこはまだいすけおにいさんは、もうおわりなんだよね」と理解している様子だ。ただ、よこはま、じゃなくて、よこやま、だけどね。

年明けに、4月になったら進級することを伝えたら、「いまのままがいい」と泣いて嫌がっていた、とお迎えの時に先生から聞いたときはショックを受けた。今年こそ穏やかな春を迎えられると安堵していたのに、進級さえもままならないのか。

お友だちだってみんな一緒なのに、クラスが持ちあがることがすでに大きな変化なようで、結局毎年この変化に四苦八苦するのは変わらないのか、とトホホな気分でいたが、どうやったら進級を前向きに受け止められるかなあと気を揉んでいたのもつかの間、進級すると年長さんと一緒にバス遠足に行けることを知って、俄然やる気になったらしい。

何という変わり身の早さだと若干の拍子抜けもあったが、大人が思っているよりずっと子どもは理解力が養われているんだなと感じることがこの頃多い。

しかし、少なくともだいすけお兄さんの卒業に関しては、私の方がずっとダメージは大きい。

毎日のように見ているから親近感もある、だけど名前以上のことはあまり知らないだいすけお兄さん。突然髪の毛が赤くなっていたり(茶色じゃなくて本当に赤っぽくなっていたので鮮明に覚えている)、「今日は可愛い柄のセーター着ているな」と見ていたらお手頃価格のブランドのものだということが判明したり、ちょっとしたイメージチェンジを発見するとお得な気分にもなった。

この感覚は何に近いかなあと考えると、宅配便のお兄さんだ。配達のたびに顔を合わせているけれど、「今日は寒いですね」「遅い時間までありがとうございます」くらいのことを喋る程度の関係性だ。でも、「来月から別のエリアの担当になるんです」とか言われたら、ちょっと寂しくなるかもしれない。

ここ数日は、いつもよりじっくり「おかいつ」を見ていたのだが、3月28日に1日限定で公開された「かぞえてんぐ」のMVはインパクトが大きかった。

最後に団扇を置くのは、完全に山口百恵さんが引退コンサートでマイクを置いてステージを後にするあの有名なシーンへのオマージュ……。芸達者なだいすけお兄さん、いつも突拍子もないものを鼻から出していたかぞえてんぐだから、何かやってくれるだろうとは思っていたけど、MVだけでも意表をつかれたのに、団扇を置くって。

筆者は1980年生まれなので、百恵さんの引退と同じ年なのだが、もちろん記憶にはないし、だいすけお兄さんだって生まれる前の話だ。

それでも引退の名場面として語り継がれているので、後追いで知っている人も多いはずのこのシーン、だいすけお兄さんは絶対これをやってやろうとたくらんでいたんだろうな……と思うと笑いがこみあげてくる。

その割にかぞえてんぐの鼻からは何も出てこなかったのも想像の範囲を超えていて、しみじみと「だいすけお兄さんほんと面白かったな……」と反芻している。

そして、最終日の本日、番組の終盤で「みんなにお話があります」と切り出すだいすけお兄さん。もうこれだけで涙ぐんでしまうが、最後まで抜群の歌唱力で魅せてくれて、そしてゆういちろうお兄さんにバトンタッチするだいすけお兄さんは頼もしかった。ヘアセットもいつもよりさらにキマっていたし、蝶ネクタイもお似合いでした。

今後の活動の詳細はまだ未定のようだけれど、ファミリーコンサートにも出演するそうだし、表情豊かな顔芸も、芸人顔負けのリアクションもバラエティ番組などで受けそうなので、ぜひタレント活動をしてほしい。

だいすけお兄さん、9年間お疲れさまでした、そして楽しい時間をありがとうございました。また会える日を楽しみにしています!

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。