(C)三浦しをん/集英社・(C)2017「光」製作委員会

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 大森立嗣監督最新作『光』の音楽を、テクノの巨匠ジェフ・ミルズが手がけることが発表された。(メイン写真はジェフ・ミルズと大森立嗣)

 本作は、『舟を編む』の三浦しをんの同名小説を、『セトウツミ』の大森立嗣監督が実写映画化したサスペンス・ドラマ。東京の離島・美浜島で育ち、島を襲った津波から数人の大人と共に生き残った中学生の信之、恋人で同級生の美花、年下の幼なじみの輔の3人が、20年後に再会する模様を描く。三浦と大森は『まほろ駅前多田便利軒』に続いてのタッグとなった。

 主人公・信之を井浦新、その妻を橋本マナミ、幼馴染の輔を瑛太、信之の同級生・実花を長谷川京子がそれぞれ演じている。
 
 この度、本作の音楽を手がけることが発表されたジェフ・ミルズは、エレクトロニック・ミュージックの原点ともいえるジャンル「デトロイト・テクノ」のパイオニア的存在。そんなジェフ・ミルズが、大森監督からの熱い要望に応えて、自身初となる劇場公開映画への音楽提供を行った。今回のタッグに関して、大森監督、ジェフ・ミルズより下記のコメントが寄せられている。

■大森立嗣(監督)コメント
音楽は映画に強い影響を与えます。ときには魔法のようにシーンをまったく別の意味にしてしまいます。だからこそ慎重になります。いつもそうですが、シーンを説明するような音楽はつけたくないという思いがあり、それがこの映画には一層強くありました。なぜなら『光』という映画が放つ力は、理性的に、寄り添う様にある人間の営みとは別の“生命そのものの光”だと思ったからです。それは異物と異物のぶつかり合い、あるいは融合のようなものです。編集した映像と音楽もそのような関係になればいいと思っていました。

 大駱駝艦(※)を通してジェフ・ミルズさんの曲を聴いていて、もしご一緒したらどうなるだろう? それを想像が出来なくて、でも想像ができないからこそワクワクしました。パリとマイアミに拠点を置くジェフさんとは、スチール写真をお送りしたり、映画をイメージするキーワードを10個ほどお送りして作って貰うことになりました。音楽はすぐ出来上がってきました。自分の想像を超えていて、映画と融合したときにどう見えるのかを考えると楽しみで仕方ありませんでした。そんなやりとりを重ねて映画は完成しました。出来上がった映画『光』はタイトルの如く、恒星のように発光していました。俳優が宇宙人のように見えたり、別の星の話に感じたり、地球の重力から解放されたような錯覚すらあったのです。今までこんな映画があっただろうか、すごいことになるぞという感じがしました。

 ぜひ映像、ストーリー、音楽がどう共鳴しあっているかを体感していただきたいと思います。

※大駱駝艦……11972年、大森監督自身の実父である麿赤兒が立ち上げた世界に誇る日本の舞踏集団。ジェフ・ミルズ自身もコラボレーションしている。

■ジェフ・ミルズ(音楽)コメント
●今回のオファーを受けて
この作品に力添えができて光栄に思います。素晴らしい作品なので、様々なシーンで巻き起こる感情をしっかりと音楽で表現できるように力を尽くしました。

●脚本を読んだときの印象は?
非常に率直な物語です。控えめさを完全にそぎ落とした、辛辣な作品。芯のある登場人物たちですが、同時に倫理観や慈悲心における喪失感が感じられます。サウンドトラックの制作をしている中で、どの登場人物にも共感できなかったのです。だからこそ、音楽のコード構成や重要な音の配置に関して客観的に作業ができました。

●どんなイメージで創作を?
サウンドトラックが、そのシーンの新たな登場人物である様子を想像しました。また、音楽が登場人物の内なる声として存在してほしかったのです。すべての音の要素が目的を持っている、そんな楽曲作りを心がけました。

●大森監督とのコミュニケーションについて
大森監督からはサウンドトラック使用シーンのサンプル映像を頂き、映像を何度も見返してシーンを覚えて作曲を始めていきました。比較的多くのアイデアを創り出しました。監督が示す方向性を理解し、それに見合ったタイプの曲を広げていきました。

●日本の観客へメッセージ
頭を空にして、オープンマインドでこの映画を見にきてほしい、それが僕からのメッセージかな。