全部生とは言ってない!「一部生」という新概念を提唱し、普通に炎上したフジテレビ・世界フィギュア女子SP中継の巻。
全部生のときは「完全生中継」と言いますからね!

いよいよ開幕した冬の一大イベント、2017年世界フィギュアスケート選手権。平昌五輪へとつづく道のうえで、五輪前最後の王者となるのは誰か。そして五輪へとつながる枠はいくつ与えられるのか。震えるような戦いの始まりです。

29日、このイベントに社運を賭けるフジテレビが女子シングルのもようをゴールデンタイムをぶち抜いて生中継しました。そのことは番組公式サイトを見ても明らかです。確かに「LIVE」と書いてある。そして、実際に中継を見始めたときにも確かに画面隅に「LIVE」の文字がある。

フィンランドはヘルシンキとの時差は6時間。向こうの昼がコチラの夜になる、ちょうどいい塩梅のズレ。僕はてっきり「時間いっぱい現地のもようを同時中継する」番組なのだとばかり思っていました。

しかし、それは「祈ります」というお断りの言葉を「グッドラック!」とカンチガイするくらい愚かな優良誤認だったのかもしれません。何と、この中継は「現地からの同時中継を織り交ぜつつ、私たちが考えた素晴らしい煽りVTRをお届けする」という構成だったのです。

↓生中継とは書いてあるが、何をどのくらい生で中継するかは言ってない!


「全部生なんて言いましたっけ?」
「生で中継できるのは確かですが」
「実際に生で中継するかどうかは」
「放映権を持つ私たちの裁量ですので」
「ただいたずらに現地映像を垂れ流すのではなく」
「より価値が高そうなものを」
「より満足が得られそうなものを」
「総合的に勘案してお届けする」
「それが私たちのプライド」

そうだそうだ!アナ雪の放送でもMay.Jの歌はカットしてたもんな!

ノーカットのはずだけどMay.Jはカットしてたもんな!

>フジテレビはなぜ凋落したのか [ 吉野嘉高 ]

価格:799円
(2017/3/30 05:03時点)
感想(0件)



中継の冒頭、都合よくそこには日本の樋口新葉さんの姿が。「うわー、生だ!」と当たり前のことにビックリしてしまうよく訓練されたフィギュアファンたちの喜びの声。それに応えるように気合いみなぎる演技を見せる新葉さん。思いついたように天井のカメラで豆粒選手を映す国際映像にも目をつぶりましょう。DAZNだって止まることがある。映っているだけマシ。とにかくこの時間を世界のファンとともに共有できるのが、何よりも素晴らしい。

新葉さんはトリプルルッツ+トリプルトゥループのコンボをビシィッと決めると、ジャンプはすべてクリーンに成功。四大陸選手権での悔しさを払拭するような充実の演技ぶりです。本人的にも手応えがあったのか、演技終了後には震える魔王のような笑いで、喜びを露わにしました。アレが漫画ならフキダシの中身は絶対に「ふはははははは!」です。もしかしたら「我が前にひれ伏すがいい…」とかもついてるかもしれません!

↓いいじゃんいいじゃん!満開の日の丸が咲いた!


初の世界の舞台にも臆することまったくなし!

要素は足りてる、来年はもっと伸ばせるぞ!

さぁ、次の演技番は日本の三原舞依さん。今まさに滑り出そうとする三原さんの背中をカメラがとらえ、日本勢はグッと前のめりでコレを見つめます。しかし、そこで映像は切り替わり何故かCMに。「あれ、次のグループだっけ?」と戸惑う視聴者を置き去りにし、CM明けに始まったのは「三原さんの煽りVTR」。難病を克服した話などをたっぷりと紹介していきます。

「やっぱり次のグループだったんやろか…」

と、いぶかしむ視聴者に「四大陸女王、三原舞依。初の世界選手権がいよいよ始まります!」という引っ張りコメントを叩きつけ、何と再び映像はCMに。するとそんなことをやっている間に、SNSやスポーツナビの速報では三原さんが演技を終えた速報が流れてくるではありませんか。「いよいよ始まりますって、全然始まらないじゃねぇか」「ていうか終わったぞ」「何だコレ」というごくごく普通の感覚からくる怒りがタイムラインを埋め尽くしていく。

そして、ようやく始まった三原さんの演技映像からは「LIVE」の文字が消えていました。トリプルルッツ+トリプルトゥループが決まった映像、超低姿勢で決めるシットスピンの映像、独特なポジションが映えるコンビネーションスピンの映像、美しいビールマンポジションのスピンの映像、さっき現地と同時に見られたはずの映像が録画で流れていきます。

そして、演技のラスト、もう本当にコレで終わりという最後の要素トリプルフリップ。ここで三原さんは回転が抜けて2回転となり、さらに着氷したあとにエグッて転倒するというまさかの事態に。演技後半ボーナスを入れた基礎点が5.83点、そこに加点が乗って6点から7点はあろうかという要素ですが、「2回転以下のジャンプはノーカンとなる」ショートプログラムの仕組みもありコレが丸ごと0点に。しかも、転倒ぶんの減点はしっかり取られるので、本来ならプラス7点くらいあったものがマイナス1点になってしまいました。

結局、三原さんの演技は59.59点に留まります。本来の演技をできればトップテン、上位争いに食い込めそうなところが、15位スタートという格好に。これが世界の怖さと言えばそれまでですが、いろいろな意味で厳しい滑り出しとなってしまいました。ちょっと重たいものを背負わせてしまったかもしれません。頑張れ、三原さん!ヌケてコケただけで演技は何も悪くない!自分のためにフリーでベストを尽くそう!

↓世界選手権という素晴らしい舞台で滑れる喜びを感じよう!



世界選手権は世界選手権、五輪は五輪!

今に全力!

>ストリーミング配信をはじめよう! [ 西村太一 ]

価格:1,296円
(2017/3/30 05:02時点)
感想(0件)



中継開始から40分を経過した時点で、樋口さん・三原さんの演技、それにカロリーナ・コストナーの演技を数秒紹介しただけというマジカルな番組構成。まるでYouTubeで「LIVE STREAM」と書いてある動画をクリックしたら30秒CMを強制的に見せられて、いざ動画が始まったら外人がしゃべっているだけだったときのような気分。「何をLIVEでSTREAMしとんねん」のコレジャナイ感でいっぱいです。

長いCMを挟んでバックステージのもようが生中継で流れると、カナダのオズモンドの演技では再び画面に「LIVE」の字が灯りました。結局、ドイツのニコル・ショットの演技、さらに第6グループの6分間練習までの幕間についてはバッサリとカットと。その部分は視聴率が下がると踏んだのでしょうね。で、その時間を埋めるために注目の三原さんの演技をCMと煽りVTRでサンドした録画中継にしたと。

なじみの薄い選手の演技を盛り上げたり、練習からつかめる予兆を紹介したりという高次の解決法ではなく、退屈そうな部分を切って捨ててくるとは。何だかCMをカットしながら見る視聴者と、演技をカットして中継するテレビ局とのイタチごっこのようです。「いつ、何が起きるかわからない」というライブ中継の魅力は、「つまんなそうだからカット」をやり出したら台無しなのですが。「つまんなそうだからカット」をやり出したら、新しい魅力なんて、見つかりゃしないでしょうに。

↓「生中継中に演技を始めたのにいなかったことにされる」という、三原さんよりヒドイ扱いを受けたのはコチラの方です!


日本ではカットされましたよ!(サムアップ)

フリーもたぶんカットだと思います!(サムアップ)


↓「文句のあるかたはコチラの番号まで」というメッセージかと思ったら、木下の介護の番号でした!


せっかくなら頭に「81」つけた、世界中からつながる番号にすればいいのに!

うっかり世界からかけてみたいわ!


↓「つまんなそうだからカット」とかしてたら、面白いおばちゃんを見逃すかもしれんでしょ!


カーチャン猛然とスマホいじり

トゥルシンバエワにスマホ取り上げられる

笑顔でポーズ「Oh!」の奇声

オーサーコーチのほっぺにチュー

トゥルシンバエワのほっぺにチュー

マイクが笑い声をガン拾い

得点を見て小躍り

トゥルシンバエワ「もー、お母さん!!」

カーチャン落ち着けwwwwwwwwww

これぞ生中継の醍醐味wwwwwwwwww

>かーちゃんの生態観察日誌 [ 上石ヒカル ]

価格:1,080円
(2017/3/30 04:59時点)
感想(0件)



今度は整氷と最終グループの6分間練習をカットしようとするフジテレビは、最終グループを待つ幕間にカロリーナ・コストナーの演技と男子シングル滑走順のクジ引きの様子を挟み、さらに6分間練習は後半の2分をCMタイムに充ててきました。やはりテレビ局のデータ的に、幕間は露骨に視聴率が下がっていたりするのかもしれません。

僕などは「とにかくリンクだけ映しときゃいいんだよ」「整氷機を見るのも楽しいんだよ」「ガスボンベが縦に積んであったり横に積んであったりするなぁとか、そういうのを見たり」などと思ってしまいがちですが、きっと最近は違うのでしょう。何も進行していないリンクを見たいなら、会場で見ろってことなんでしょうね。6分間練習を映さないフィギュアスケート中継は、パドックを映さない競馬中継みたいなものですけど、会場で見ろってことなんでしょうね。

そしてようやく始まった最終グループの演技。1番手のメドベージェワは「さすが」としか言いようのない演技で、80点に迫る世界最高レベルの高得点。いつの間にかジャンプで両手を上げ始めるなど、すでに世界のトップなのにさらに高みへと進んでいくかのようで、コチラも両手をあげて「参りました」です。

もはや難度の高い構成をミスなく演じ、加点をしっかり取るのは勝負の前提であるかのよう。出てくる選手たちがみな素晴らしい演技で順位表を上書きしていきます。カナダのデールマンの力感あふれる演技と叫び。アメリカのワグナーは演技開始から手拍子が起きる観衆巻き込み型の演技で、ドーンと会場を盛り上げる。激戦区ロシアを勝ち抜いてきたソツコワは、ロシア勢3番手なのに世界の6番手という、改めてロシアの層の厚さを見せつけます。

そして、やってきた日本の本郷理華さん。宮原知子さんが負傷欠場ということでの、補欠からの繰り上がり。繰り上がりがつづいたうえに、自身の国内での大会出場もあり、「予定がハッキリしないままひたすら慌ただしい」という難しい終盤戦となりました。調整も大変だったでしょう。

しかし、そこで合わせてきてこそ日本を背負う代表選手。本郷さんは好演技連発の最終グループでしっかりと自分の演技を披露。トリプルトゥループ+トリプルトゥループとした演技後半の三回転のコンボはアンダーローテーションとなりますが、四大陸選手権での精彩を欠いた演技からは立て直してきました。よく頑張った。来てくれてありがとう。フリーで一発期待できそうな、いい顔をしていました。

↓ひとつトンネルを抜けたかもしれない!まだまだここからだぞ!



いつの間にかテレビに「谷間の世代」呼ばわりされたり、最終順位読み上げで勝手に15位(実際は12位)にされたりしてたけど、負けるな!

さっとんのぶんまで思いっ切り滑ろう!

日本勢は樋口さんが9位、本郷さんが12位、三原さんが15位という滑り出し。まぁ、率直に言って平昌五輪の3枠獲得の条件となる「上位2人の順位合計が13以下」は難しそうです。ただ、とかく五輪前のシーズンはコチラもそうなりがちなので要反省なのですが、この大会は五輪の予選ではなく、あくまでも2017年の世界選手権です。

この1回の出場が夢であり、ここ1回の頑張りが一生モノの思い出となる舞台。枠獲りのための大会ではないのです。この大会が素晴らしい記憶になるようにチカラを出し切って、それで順位が足りなければ「ロシアすごいね!」と親指でも立てておけばいいのです。実力を出したうえで及ばないのは「仕方ない」。けれど、実力を出せずに終わるのはつまらない。

フリーで最高の演技をして、気持ちよく終わりたいもの。そして史上最激戦の全日本を来年やりましょう。直近の世界選手権で頑張った3人と、怪我から復帰した宮原さんと、ジュニアから上がってくる新鋭と、みんな集った百花繚乱で。3枠には3枠の、2枠には2枠の楽しみかたがある。願いはただ、ライブで見守りたい、それだけです。

来年のことは考えない!今この世界選手権だけに全力を出そう!