29日、韓国メディアによると、セウォル号惨事当時に乗客を船内に残し逃走した操機長のチョン氏が、獄中にいた2014年10月ごろに韓国光州にある教会の牧師に送った“ざんげの手紙”が公開され、話題となっている。写真はセウォル号惨事の真相究明を訴えるデモ。

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2017年3月29日、韓国・東亜日報によると、韓国で14年4月に発生した旅客船セウォル号惨事当時に乗客を船内に残し逃走した操機長のチョン氏(64)が、獄中にいた14年10月ごろに韓国光州にある教会の牧師(60)に送った“ざんげの手紙”が公開され、話題となっている。

手紙でチョン氏は「セウォル号惨事当時の自分の行動を非常に後悔している」と明らかにし、「どんな言葉でも表せないほど大きな罪を犯した」と謝罪。また、「全てを元の状態に戻すことができるなら私の命を差し出す。私は惨事当時に死ぬべきだった」と悔しさも語っている。

チョン氏は「同じ親の気持ちからざんげする」という趣旨の言葉もつづった。これはチョン氏の娘がセウォル号惨事後の14年6月に自ら命を絶ったことが影響したとみられている。チョン氏の娘には夫と子どもがいたという。

さらに、惨事当時の状況についても語っている。チョン氏は「セウォル号が復元性を失い急速に左舷側に傾いた」と説明した。これは司法当局が判断したセウォル号沈没の過程と同じだという。最後に、チョン氏は自身の健康状態が良くないことを告げ、「祈ってほしい」と牧師に頼んでいる。

チョン氏は14年の裁判でも「愚かなことをした」と述べ、家族と国民に謝罪した。チョン氏はセウォル号惨事当時、何の救済措置も取らず乗客を船内に残したまま逃走した。最高裁判所は15年、チョン氏に遺棄致死傷などの罪で懲役1年6カ月を言い渡した。懲役刑を宣告されたセウォル号乗組員の中では最も軽い罰だった。

最近服役を終えたチョン氏は現在、釜山で高齢の母親と共に暮らしている。チョン氏の母親は意思疎通が難しいほど健康状態が悪化しているという。28日に手紙を公開した牧師は「チョン氏の手紙がセウォル号遺族の傷を少しでも癒してくれたらうれしい」と述べている。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「罪を憎んでも人を憎むなと言うが、今回の罪はあまりに大き過ぎる」「子どもたちを捨て、我先にと逃げるチョン氏の姿が今も目に浮かぶ」「自分の命も大切だ。とても怖かっただろう。でも、苦痛の中で亡くなった子どもたちのことを考えるとやっぱり許せない」「彼が船内放送で『全員逃げろ』と一言言っていたら今ごろ…」「なぜ無期懲役にしなかった?」など、チョン氏に対する厳しいコメントが多く寄せられている。(翻訳・編集/堂本)