岡崎カクキュー八丁村の外観。周りの景観と調和したレトロな佇まいだ

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2017年3月19日、カクキュー八丁味噌の郷に新しいグルメスポットが誕生した。その名も、岡崎カクキュー八丁村。愛知県岡崎市内の人気店3店舗が集まり、それぞれ八丁味噌を使ったラーメン、カレー、カフェメニューを味わうことができる。カクキュー八丁味噌の郷は、江戸時代から300年以上変わらぬ製法を守り受け継ぐカクキューの八丁味噌造りが無料で見学できる人気スポット。教会のような洋風な佇まいの本社事務所、1907(明治40)年に建てられた味噌蔵は国の登録文化財になっている。ここに新しく誕生した岡崎カクキュー八丁村は、八丁味噌グルメの聖地として観光客だけでなく地元客も注目する新名所だ。

【写真を見る】黄色のチェーンを設置して各店舗ごとにおおよその席を振り分けている

■ “キブサチ”こと「kibun.de..SACHIO」が移転オープン

岡崎カクキュー八丁村で営業する3店舗のうち、ひときわ長蛇の列を作っているのが個性的な創作ラーメンが評判の「kibun.de..SACHIO」だ。同店は、岡崎市松本町から移転オープン。一部新商品を除きメニュー構成は変わらないが、すべてのラーメンにおいて麺を変更するなど改良を加え、進化した“キブサチ”流ラーメンを打ち出している。オープンからしばらくは現在のメニューで営業するが、創作好きな店主の頭にはすでに新メニューの構想があるとのこと。予定では夏頃に新メニューが登場するそうなので、完成を楽しみに待ちたい。店内はフードコートになっており、味噌蔵に並ぶ巨大な杉桶を眺めながら食事ができるユニークな造り。

■ 八丁味噌ラーメンの決定版!家康らーめん赤鬼

イチオシはもちろん、カクキューの八丁味噌を使った家康らーめん赤鬼(950円)。移転前からあった人気メニューだが、より一層味噌の味を楽しめるようにリニューアルした。麺は以前の極太麺から少し細くした太丸麺。八丁味噌独特の存在感ある味にも負けず、ズズズッとすすれるラーメンらしさを意識することでスープやラーメン全体のバランスを向上させている。トッピングはモヤシやネギ、煮卵、メンマ、チャーシューなど具沢山で食べ応え満点。味を変えたい時は、オリジナルの唐辛子味噌を少しずつ加えてみよう。

カクキューの八丁味噌は大豆と塩だけで作る自然食品。巨大な杉桶に仕込んでから天然の川石を積み上げ、二夏二冬以上という長期熟成の末に完成する。凝縮された味わいは個性が強いため、ほかの味噌とブレンドして使用されることが多いが、家康らーめん赤鬼は八丁味噌100%にこだわった硬派な一杯。味噌にゴマやニンニクなどを加えた特製ダレを鶏ガラスープに溶かし、八丁味噌の旨味をガツンと表現している。岡崎カクキュー八丁村で味噌蔵を眺めながら味わうのにふさわしい一杯だ。

■ 移転後に新登場したメニューにも注目を!

岡崎中華(750円)は、岡崎市が誇るブランド鶏、岡崎おうはん100%から抽出した清湯スープを使用した新作ラーメン。トッピングにあいちの伝統野菜にも認定されている岡崎市の法性寺ねぎを使用するなど、ご当地食材を意識した一杯に仕上げている。麺は細麺または手もみ麺から選べるが、オススメは手もみ麺。極細、細、中太と太さの異なる3種類の麺が混ざっており、口の中で異なる食感を楽しめるだけでなくスープののりもいい。岡崎おうはんの優しい旨味や、柔らかく甘味のある法性寺ねぎと一緒に堪能したい。

すでに口コミやSNSで評判が広まっており、ファンが急増。平日でも開店前から行列ができ、30〜40分ほど待つことも多い。しかし、陽気な店主が繰り出す岡崎愛にあふれた一杯は、ラーメンファンならずとも味わってみてほしい。【東海ウォーカー/伊藤甲介】