3月24日、真珠養殖とジュエリー販売のTASAKI(東証1部:7968)がMBO(マネジメントバイアウト=経営陣が参加する買収)を実施すると発表しました。「海外進出に伴う一時的な業績や財務基盤の悪化が想定され、上場を廃止して経営の自由度を高めるため」と報道されていますが、金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」は最新号で「過去の経緯から額面通りにには受け止められない」とその背景を解説しています。

ファンド絡みのMBOで結局もうけるのはファンド。
TASAKIも二の舞か!?

 今回のMBOは、実際にはMBKパートナーズなるファンドが主導するLBO(レバレッジドバイアウト)です。会社(この場合はTASAKI)の資産を担保に少ない自己資金で買収し、会社資産あるいは大半を握った株式を転売(再上場)して儲けるスキームです。

MBO価格は1株=2205円で、発表直前の同日(3月24日)終値が1735円なので27%ほどのプレミアムになります。予定買付株数は自己株を除く最大1430万株ですので、買収資金は315億円ほどとなります。

 TASAKIには今年1月末時点で流動資産196億円(うち棚卸資産149億円)、総資産242億円、純資産88億円があります。

 MBKパートナーズは315億円ほどの買収資金の大半、恐らくは200億円以上を借金で賄い、MBOを完了後にその借金をすべてTASAKIに押しつけるつもりです(MBOのために設立したペーパー会社をTASAKIと合併させる)。

 借金を押しつけられたTASAKIはどうやってこの借金を返すでしょう。年間純利益は20億円程度しかありませんし、149億円の棚卸資産を売却してしまえばそれすらもおぼつかなくなります。結局のところ、早い時期に再上場させて上場益で稼ごうと考えているはずです。

 実はMBKパートナーズは2008年に経営危機に陥ったTASAKI(当時は田崎真珠)に乗り込んで「とんでもない条件」で株式を取得、2015年にすべて売り払って大儲けしたファンドです。この売り払われた株はTASAKIが借金をして自社株買いで買い取りました。現在の有利子負債はほとんどがこのときの借金です。

 つまり、MBKパートナーズはTASAKIに対し「2回目のLBO」を仕掛けていることになります。ファンド絡みのMBOでは「すかいらーく」が成功例とされていますが、あれも儲かったのは結局ファンド(べイン・キャピタル)だけでした。内外のファンドが経営権を握ると「とんでもない話」が絡んでいることが多いのです。少なくとも日本の株式市場にプラスになっていないのは確かです。

MBKパートナーズが以前にTASAKI株式を取得した条件がどう「とんでもなかった」のか、内外のファンドが経営権を握って「とんでもない話」になったケースなど、株式市場を巡る闇に興味をお持ちの方は、是非刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」をお読みください。読者登録していただくと政治経済や金融の話題を中心に、歴史文化や娯楽まで他のメディアでは決して読めない濃くて深くてためになる記事が、毎週1回5本程度の本編と付録、番外編、速達便で届きます。