ハンガリーでは3月27日、全ての難民たちを、国境近くに作る難民キャンプで運送用コンテナに収容するという新しい法律が発効した。当局者はこの法律を、ハンガリーをテロ攻撃から守るためのものと述べている。難民申請者は、ハンガリーに新しくやってきた者も、すでに入国済みの者も、セルビアとの国境付近の2カ所のキャンプに設置される324の運送用コンテナに収容され、難民申請の完了を待つことになる。

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この法律は3月7日に国会で可決されたもので、人権団体と国連は非難の声をあげている。ハンガリーのオルバン・ビクトル首相率いる政権はこれまでにも、ヨーロッパにおける難民危機に対して強硬姿勢を示しており、物議をかもしてきた。同政権は今回の安全措置についても、その正当性を訴えている。

ハンガリーのシャンドール・ピンター内務大臣は声明を発表し、「この法律の目的は、在留資格が確定していない移民が、国内ならびに欧州連合(EU)圏内を自由に移動することを防ぎ、そうした移住による安全上のリスクを減らすことである」と述べた。

すでにハンガリー国内にいる不法移民も収容対象となる。コンテナ・キャンプへの収容が免除されるのは、成人の同伴者がいない14歳未満の子どもだけで、養護施設に収容する。

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声明にはこう書かれている。「まもなく施行される新たな規制に準じ、すでにハンガリーに入った不法移民も全員、国境まで連行される」

部屋以外は提供

内務省によると、コンテナ・キャンプに収容される難民には、1日3回の食事と、ベッド、寝具、温水、トイレ設備、個別の衛生用品が提供される。また、マスメディアと通信機器の利用が可能だ。

キャンプ開設当日には、欧州委員会の移民担当委員ディミトリス・アヴラモプロスが首都ブダペストを訪問し、新しい収容施設がEU法に違反していないかを確認する予定だ。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、ハンガリーに対して方針を修正するよう要求しており、欧州委員会に対してもハンガリーに強い姿勢を取るよう主張している。

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HRWの東欧と西バルカン地域担当調査員リディア・ガルは以下のよう述べた。「ハンガリーが新たに打ち出した法律・方針は、人権を著しく侵害するものであり、難民が保護を受けることを困難にする。また、難民申請者にとって不快、もしくはきわめて危険なものである」

キャンプは、ハンガリーが南側の国境に沿って建設した「第1のフェンス」沿いにある。新たに、夜間用監視カメラと動きに反応する赤外線センサーを備えた「第2のフェンス」も現在建設中だ。

ジェイソン・ルミエール