タイ戦は74分から途中出場。試合終了間際に得点チャンス目前でミスを犯したプレーを悔やんだ。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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[W杯アジア最終予選] 日本 4-0 タイ/3月28日/埼玉  清武弘嗣に出番が巡ってきたのは、3-0で迎えた74分だった。  守勢に回る時間が増えてきたなか、香川真司に代わってトップ下に入ると、ダイレクトプレーを交えてライバルとはまた違った形でゲームをコントロール。83分に久保裕也のクロス→本田圭佑のヘッドの起点となると、直後のCKのチャンスではゴール前へ正確なボールを供給し、吉田麻也のヘディングシュートをアシストした。 「(リズムが変わった?)前半はロングボールが多くて、トップ下とボランチがボールを出し入れしていくことを考えていた。僕ができるのはああいうことしかない。リズムを変えて、最後のパスを出す、あるいはシュートを打つのが自分のトップ下のイメージ。タイは点を取られてもガンガン来ていたし、途中出場だったのでそこを心掛けました」  ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からは「ボールを失わず、落ち着かせてほしい」とピッチに送り出されたという。それだけに、「シンプルにやるところと、リスクを冒すところを使い分けながら、(川島)永嗣さんのスーパーセーブもあって、上手く試合を終わらせることができた」と与えられたタスクに対する自己評価は悪くはなかった。  しかし――。あるワンプレーが清武の心に靄をかけていた。90分、右サイドで本田圭佑が縦パスを受けると、清武はバイタルエリアに向かってフリーランニング。ペナルティアーク付近でボールを持った瞬間、左サイドの宇佐美貴史が相手の裏を取って動き始め、スルーパスという2人の意思疎通は出来上がっていた。だが、清武のパスは無情にも目の前のDFに当たってカットされ、日本は得点チャンスを逸してしまったのだ。 「圭佑くんのところでタメができるので、その周りをうろちょろしながら、裏に走ることも考えながらやりました。ただ、(90分に)宇佐美に通せるパスを引っかけてしまった。あれで崩せたら今日は後悔なく終われたんですけど……、あれだけは後悔しています」

 今季はセビージャからC大阪への移籍を決断しながら、右足の違和感で開幕に出遅れるなど、苦しいシーズンのスタートを切った。代表でも、昨年の11月シリーズでリードを奪いかけたトップ下のポジション争いは、この2連戦で“貯金”がなくなった感がある。6月に控える最終予選(イラク戦)で出場機会を手にするには、猛チャージは不可欠だ。 「この(2連勝の)良い流れを6月に持って行きたいし、個々のチームに戻って意識しながらやらないと。今は、日本代表が勝ってワールドカップに行くのが一番大きな目標。自分としては、試合に出たなかでいかにゴールに絡めるかを考えたい」  過ぎてしまった過去は代えられないだけに、今後の活躍で心を覆う靄を振り払いたい。 取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

 

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