火星の5年は、地球の50年にも相当するのでしょうか。

火星探査機ローバーのキュリオシティが火星に着陸して5年足らず。今月NASAが行った日常点検で、左側中央の車輪に2ヵ所の裂け目が見つかりました。壊滅的なダメージではないですが、過酷な環境で働きづめのキュリオシティは、そろそろ寿命かもしれません。

キュリオシティの任務に携わる科学者たちが、車輪の損傷に気づいたのは3月19日のこと。1月27日に車輪を見たときには異常はなかったので、 ごく最近に生じたダメージのようです。NASAは、当然喜ばしいことではないもののたかが車輪の擦り切れくらいで探査計画を変更することはないと主張しています。

「6つの車輪は、任務のために計画されたすべての目的地に車両を運ぶに十分な寿命を残している」と、キュリオシティのプロジェクトマネージャー、Jim Erickson氏は述べています。「全く予想していなかったことではないが、この損傷は、左側中央のホイールが車輪摩耗の節目に近づいている最初の兆候だ」


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損傷部分の拡大画像 (image: NASA/JPL-Caltech/MSSS)


io9によると、任務の計画者たちは2013年にキュリオシティの車輪が予想以上に早く劣化していたことに気づき、保護措置として逆走を開始しました。その後のテストでは、グローサーと呼ばれるタイヤの隆起トレッドの3つが壊れた段階で、ホイールが有効寿命の約60%に達したことがわかりました。

悔しいことですが今後の見通しには、このダメージを考慮する必要があります。これまで、キュリオシティは火星の険しい表面を約10マイル(16km)も横断しています。探査機の6つのアルミホイールの直径はそれぞれ20インチ(50cm)で、厚いトレッドを除き、薄い外側の層が地面に接触します。各車輪には、キュリオシティの重量を負うジグザグのグローサーが19個装備され、車輪が砂やギザギザの岩の上を横断する際の牽引力を提供しています。地球上では重量約2,000ポンド(約900キロ)のキュリオシティは、地球の表面重力の約38%しかない火星では約750ポンド(約340キロ)となります。とはいえ、かなりの重さであることは間違いありません。

当面はフル回転するしかない、頼れるローバーにも老いが忍び寄っているようです。 2016年12月初旬、NASAはキュリオシティのドリル刃を岩石上に移動できませんでした。SPACEFLIGHT NOWによると技術者たちは、火星のゴミや小石などの破片がドリル・フィード・モーターを台無しにしているのでは、と疑っています。NASAによれば、断続的に起こる問題はまだ解決されていません。2月24日には、キュリオシティのロボットアーム搭載カメラMAHLIのレンズカバーが完全に開かなかったトラブルも起こっています。

NASAは現在、何が起こっているのか把握すべく、診断テストを実施中です。まだまだ元気で、任務を遂行できますように!


・火星探査機キュリオシティの最新セルフィー写真と360度のパノラマ
・キュリオシティの次のミッションは「火星の生命」の過去と未来


image: NASA/JPL-Caltech/MSSS
source: NASA 1, 2, io9, SPACEFLIGHT NOW
reference: NASA/Jet Propulsion Laboratory

George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(Glycine)