本人も子どももつらい事態をどう受け止めるか(画像は調査発表より)

写真拡大

子どものいるがん患者133人のうち78%が自分自身で子どもにがんだと伝え、87%は伝えてよかったと感じている――。

医療分野の調査会社メディリードと子どもを持つがん患者のサポートサービスを行っている団体「キャンサーペアレンツ」は2017年3月8日、こうした調査結果を発表した。

「安心させたい」「隠したくない」理由はさまざま

メディリードのプレスリリースによると、がん患者支援のきっかけを探るためキャンサーペアレンツと共同でがん患者のコミュニケーション実態調査を実施した。全国34都道府県に在住するキャンサーペアレンツ会員を対象に、30〜64歳の男女133人の回答を得ている。

回答者がり患しているがんは多様だが、がんのステージ別では「ステージ4」が28%と最も多く、全体の半数以上が現在も通院治療中の状態。87%は配偶者(またはパートナー)がおり、97%は子どもがいる。

「がんであることを子どもに伝えたか」という質問には73%が「伝えた」と回答。また子ども以外では「配偶者(パートナー)に伝えた」が92.5%、「友人・知人に伝えた」も85%と高い水準となっている。

自分自身で子どもに伝えた理由については、「安心させたい」「がんについて受け止められる、理解できる」など子どもの状況に合わせたことや「がんであることを隠すことができない、隠したくない」と自分の状況や思いなどが挙げられた。伝えた後の状況については、「伝えない方が良かったと思う」との回答はなく、大半の患者が伝えたことを肯定的にとらえている傾向にあり、子どもとの関係も27%が「良い方向に変化した」と回答した。

なお、伝えなかった患者の理由については「まだがんのことを理解できる年齢ではないから」が58.3%で最も多く、66.7%は「子どもが理解できる年齢になったら伝えたい」としている。