アマゾンの事業拡大戦略、国内外で加速 中東では「スーク」買収で合意

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新興市場での事業拡大を狙うアマゾンは3月28日、中東最大のインタ-ネット販売会社「スーク・ドットコム(Souq.com)」を買収することで合意したと発表した。これにより、同地域への進出を果たすことになる。買収額は6億5000万〜7億ドル(約722億〜778億円)とされる。

「中東のアマゾン」を自認してきたスークは2005年創業。家電やファッション、健康と美容、家庭用品、ベビー用品など、31のカテゴリーに及ぶ840品目以上を取り扱う。サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトなど各国で事業を展開しており、月間のサイト訪問者数は4500万を超えるという。

スークの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のロナルド・ムシャワーは、「われわれが掲げる理念は多くの点で、アマゾンと共通している。合併は中東地域の顧客のために、われわれが事業を拡大する上での重要なステップだ」と述べている。さらに、アマゾンの傘下に入ることにより、配送能力の大幅な強化と、顧客にとっての選択肢の拡大をより迅速に進めることができるとの期待感を示す。

一方、スークには中東の経済界の重鎮とされるモハメド・アラバル率いるドバイの不動産管理会社、エマール・モールズも買収案を提示していた。ブルームバーグが26日に報じたところによれば、買収額8億ドルを提示していたという。アラバルはネット販売会社「ヌーン・ドットコム(Noon.com)」の運営を近く開始すると伝えられており、スークは今後、アマゾンとともにヌーンと競合することになる。

欧米市場が成熟しつつあるなか、アマゾンは新規市場の拡大を模索してきた。すでにインド・中国市場には進出しており、最近ではメキシコでも事業を開始した。

米国内でも新事業

一方、米国内での事業の拡大にも注力するアマゾンは28日、新サービス「アマゾンフレッシュ・ピックアップ(AmazonFresh Pickup)」の提供を開始すると発表した。生鮮食品をネットで注文、顧客自身が指定した時間に店舗で受け取ることができるドライブスルー型のサービスだ。

当面は従業員のみを対象に、シアトル市内のソードー地区とバラードにある2店舗に限定してサービスを提供する。

アマゾンによれば、同サービスは場合によって注文から15分後に商品を受け取ることも可能。1回の最低注文金額の設定はなく、今後はプライム会員なら誰でも無料で利用可能なサービスとする。店舗に到着してからわずか数分後にも、購入した商品を車に載せて店を出ることができるという。

ただし、こうした新サービスについては不具合を確実に解消することが不可欠だ。アマゾンはシアトルにオープンした食品などを販売するレジ精算不要の小型店舗「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」のシステムに技術的な問題が発生したことを受け、一般向けの開店を延期したばかりだ。