縦置きの水平対向エンジン+前輪駆動方式という、現在のスバルの基本駆動方式。そのルーツとなるスバル・1000は1966年5月に登場しました。

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当時からFFの駆動方式は優れた操縦性と走行安定性を実現できることはわかっていましたが、ステアリングが重くなることや左右のバランスが悪くなり転倒しやすいといった技術的な課題が多く、まだ日本の自動車メーカーは量産化に成功していませんでした。

他車が後輪駆動を選択する中で、航空機で定評のあった水平対向エンジンを選択。これを縦置きにすることでスバル独自の理想的な左右対称の前輪駆動方式を完成させ、日本初のFF方式の量産小型自動車の開発に成功しました。

スバル・1000のフロントに縦置きされた977ccの水平対向4気筒エンジンは、最高出力55ps、最大トルク7.8kg-mを発生しました。スバルのFF駆動方式は全長の短い水平対向エンジンを縦置きにフロントオーバーハングに搭載し、その後方にギアボックスとデフを置くという効率の高いレイアウトを採用しました。

その結果、スバル・1000は全長が3930mmというコンパクトなボディながら、広いキャビンスペースを実現。また、低重心な水平対向エンジンをフロントに搭載しているので、滑りやすい雪道などでのトラクションに優れているという特徴がありました。

スバル・1000の後継車として登場したのが、スバル・ff-1です。このff-1にスバルAWDの歴史の始まりといえる記念すべき1台があります。それが1971年に発表されたff-1 1300G 4WDバンです。

このスバル・ff-1 1300G 4WDバンは、昭和40年代初めに東北電力が雪山での保守点検作業に使う目的で、宮城スバルに四輪駆動車の製作を依頼したのがきっかけでした。当時4WDといえば、ジープのようなオフロードタイプが主流で、居住性の高い乗用タイプの4WDは国内にはありませんでした。

これを契機にスバルは4WDプロジェクトチームを発足させ、1971年に開催された第18回東京モーターショーにff-1 1300G 4WDバンを出展します。スバル初だけでなく、国産初となった乗用4WDの登場はショーの目玉として注目を集めました。乗用4WDの可能性に自信を深めたスバルは開発を進めて、レオーネに引き継ぐことになります。

(萩原文博)

スバルの駆動方式の始祖。スバル・1000&ff-1【SUBARU誕生カウントダウン特集・富士重工の名車】(http://clicccar.com/2017/03/29/458087/)