連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第26週「エバーグリーン」第147回 3月28日(火)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:安達もじり


147話はこんな話


アメリカから手紙が来た。
その主は、すみれ(芳根京子)が、戦後、焼け残ったウエディングドレスでベビードレスをつくって贈ったエイミー(シャーロット・ケイト・フォックス)の娘ジャスミン・モリスだった。

天使のドレスよ


代々、赤ちゃんに受け継いでいきたいという想いの詰まったベビードレス。
あのときのベビードレスに愛がたくさん詰まっていたことを、母になってようやくわかったと手紙にはあった。
元は、焼け跡からみつかった、すみれの母の形見のウエディングドレスを断腸の思いで裁断して縫製したものだ。

参考レビュー
「べっぴんさん」16話「マッサン」エリー役・シャーロット・ケイト・フォックス登場
「べっぴんさん」21話。母の想いを背負って、3人が立ち上がる


そうやって作ったものが娘の娘にまた託された喜びはいかばかりか。
「天使のドレスよ」
戦後から40年もの時を経て、なお残るドレスの写真を見て、涙ぐみすみれたち。
146週で、キアリス開店時、ショーウインドウに飾ったワンピースを大事にもっていて、自分の娘に託した
女性についで2つめの嬉しい知らせだった。
しかもこちらのベビードレスは、ショーウインドウのワンピースよりも先の、キアリス誕生のきっかけになった想い出深き作品である。
2回、似た感じのエピソードを重ねることが作劇として効果的かどうかはやや疑問ではあるが、15分単位で毎日放送される朝ドラならではなのかもしれない。先週見そびれた人もいるかもしれないし(実際視聴率もやや低かった)、とにかくこの、戦後、つらい中で一生懸命やったことが年をとってからわんさか報われるという寓話のようなエピソードは、たったひとつのエピソードでは描ききれないほどドラマにとって大事で、何度も繰り返し伝えたいことなのだろう。大切なことだから2回言いました、を真面目にやっている感じだ。

写真


天使のドレスを着た赤ちゃんを見て「べっぴんやな」と紀夫が言う。
藍(渡邉このみ)が赤ちゃんの写真と、祖父母の結婚式の写真を見比べて、同じものであることに
感激する。すみれの家に家族写真がいっぱい並んでいる。
遠く離れた外国の人の姿を見ることも、昔の祖父母の姿を見ることも、写真のおかげでできる。カメラ、なんてすばらしい機械!
「誰かの幸せの瞬間や、喜びの瞬間を、切り取って、一生取っておくことができる。
決して会うことのできない人を感じることができる。
写真からたくさんの想いを受け取ることができる」
と紀夫は言って、藍にカメラをプレゼントする。

喜んだ藍はカメラを持ち歩くが、間もなく、カメラを分解して、紀夫を唖然とさせる。
靴を分解した、すみれにそっくり。
ベビードレスも受け継がれるが、少女の冒険も受け継がれている。

はさみで靴を解体するヒロイン「べっぴんさん」2話

エイミー編を見返すと、エイミーの夫がすみれ手製の写真入れを買ってくれていて、ドレスも写真もつながっている。
(木俣冬)